ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オーステナイト」の意味・わかりやすい解説
オーステナイト
austenite
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鉄鋼の組織の名称。純鉄は常温では体心立方晶(α(アルファ)鉄)であるが、910℃で結晶形が変わって面心立方晶(γ(ガンマ)鉄)となる。オーステナイトとはγ鉄に鉄以外の元素が溶け込んだ固溶体のことで、イギリスの鉄鋼学者オースティンW. R. Austenを記念したもの。オーステナイト系ステンレスは、多量のニッケルとクロムを加えて、面心立方晶から体心立方晶に変化する温度を低くし、常温でも面心立方晶として、耐食性を向上させた鋼である。また、高マンガン・オーステナイト鋼は、多量のマンガンと炭素を加えた鋼で、常温で面心立方晶であり、摩耗しにくいので、鉄道レールのポイントなどに使われている。
[西沢泰二]
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