かすみがうら

改訂新版 世界大百科事典 「かすみがうら」の意味・わかりやすい解説

かすみがうら[市]

茨城県中南部の市。2005年3月旧霞ヶ浦(かすみがうら)町と千代田(ちよだ)町が合体して成立した。人口4万3553(2010)。

かすみがうら市南東部の旧町。旧新治(にいはり)郡所属。人口1万8569(2000)。1997年出島村が町制,改称。霞ヶ浦に突出した半島状の地域を占め,町域の大部分台地である。1960年代に台地上の開田が進められ,現在は水田面積が畑面積を上回る。ほかに養豚やれんこん,栗,梨の栽培も盛ん。古くから内水面漁業が行われ水産加工業者が多いが,霞ヶ浦の汚濁が進み,ワカサギシラウオ漁獲急減。網いけすによるコイの養殖も行われる。西部地区を中心に工場も進出している。湖岸は水郷筑波国定公園に含まれ,東端の歩崎(あゆみざき)(名)は景勝地として知られる。対岸の行方市との間は有料の霞ヶ浦大橋で結ばれる。加茂には1674年(延宝2)建築の椎名家住宅(重要文化財)がある。

かすみがうら市北西部の旧町。旧新治郡所属。人口2万6660(2000)。1992年町制。町域の大部分は台地で,中央部を国道6号線(水戸街道)が通り,常磐自動車道の千代田石岡インターチェンジがある。下稲吉は近世に水戸街道の宿駅として栄え,中志筑(なかしづく)には旗本本堂氏8500石の陣屋が設けられていた。全国一の栗の産地として知られるが,梨の生産も盛ん。従来,畑作中心の純農村であったが,1963年首都圏都市開発区域に指定されて市街地化が進み,土浦市と接する南部地区には工業団地がつくられた。JR常磐線神立(かんだつ)駅周辺では住宅地化が進み,土浦市への通勤者が多い。また,国道6号線沿いには果樹を中心とした観光農園が多い。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報