カトナ(英語表記)Katona József

改訂新版 世界大百科事典 「カトナ」の意味・わかりやすい解説

カトナ
Katona József
生没年:1791-1830

ハンガリー劇作家。大学時代に演劇の世界に触れ,数年役者として舞台も踏む。1811年最初の翻訳劇が,やがて騎士物の翻案劇やオリジナル戯曲上演される。しかし支配階級民衆葛藤といった重いテーマは大衆支持を得られず,20年故郷に戻り,弁護士としての後半生を送る。代表作の愛国史劇《バーンク・バーン》(1821)は,彼の没後真価を認められ,今日でもハンガリー最大の国民劇としてたびたび上演されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カトナ」の意味・わかりやすい解説

カトナ
Katna; Qatna

中部シリアの古代都市ホムス北東 16km,オロンテス川の東にあり,現アルマシャラファ。 1927~29年フランスの調査隊が発掘した。先史時代から居住の跡があり,前2千年紀の前半に発展した。シュメールの女神ニンエガルに捧げた神殿が発見され,ウル第3王朝円筒印章や,エジプトアメンエムヘト2世の娘イタによってつくられたスフィンクスなども出土している。前 1375年ヒッタイトに滅ぼされた。

カトナ
Katona József

[生]1791.11.11. ケチケメート
[没]1830.4.16. ケチケメート
ハンガリーの劇作家。大学で法律を学び,弁護士の仕事をしながら,劇作,翻訳,またドイツの小説の戯曲化などの活動を行なった。 1814年には悲劇『イェルサレムの滅亡』 Jeruzsálem pusztulásaが好評を博した。彼は常に支配階級と民衆間の闘争に関心を寄せ,悲劇『バーンク・バーン』 Bánk Bán (1815) はその集大成であるが,生前に上演は認められなかった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カトナ」の意味・わかりやすい解説

カトナ
かとな
Katona József
(1791―1830)

ハンガリーの劇作家。青年時代からハンガリーの劇団に身を投じ、俳優のかたわら、ドイツの小説や戯曲をハンガリーの作品に翻案していたが、やがて悲劇『イェルサレムの滅亡』などオリジナルに手を染めた。『バーンク・バン』は他国民支配を風刺する悲劇で、1820年上演の予定であったが、許可が出ず、同年故郷のケチケメートに戻り弁護士となった。没後その真価は認められ、国民劇として今日でもしばしば上演されている。

[岩崎悦子]

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