ペルー北部山地にある同名県の県都。人口11万9615(2003)。標高2750mの盆地にあり,酪農製品や,観光,保養の町として有名。町の中心にある教会建築などは,かつてのスペイン植民地時代のなごりをとどめており,付近にはインカ時代以来の温泉もある。1532年スペインの征服者ピサロがインカ皇帝アタワルパと会見した歴史的町であり,この時アタワルパは策略によって捕らえられた。これを機にインカ帝国は征服されることとなる。皇帝が幽囚された部屋は,今日も史跡として残されている。ここはインカ時代以前から古代アンデス文明の一中心地として発展した町で,近くには古代の灌漑水路クンベマヨやクントゥール・ワシ神殿など,重要な遺跡が多い。これらの古代カハマルカ文化については,1979年以来日本の考古学調査団による解明が進められている。
執筆者:加藤 泰建
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
南アメリカ、ペルー北西部、カハマルカ州の州都。アンデス山脈中の標高2750メートルに位置する。人口10万8009(1998)、24万8222(2018推計)。織物、皮革、帽子、金属器、酪製品などの伝統工業があり、付近で鉱物資源を産する。1532年スペインのピサロがインカ帝国の皇帝アタワルパを捕らえ、幽閉した所として知られる。インカの遺跡や植民地時代の建造物が多い。インカ時代からの温泉もある。先インカ時代の遺物を多数所蔵する博物館はペルー考古学上もっとも重要な施設の一つである。リウマチの特効薬といわれるユーカリの花の蜂蜜(はちみつ)を産する。
[山本正三]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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