かみえび(読み)カミエビ

デジタル大辞泉 「かみえび」の意味・読み・例文・類語

かみ‐えび

ツヅラフジ科の落葉性のつる植物山野に生え、卵形の葉を互生する。雌雄異株で、夏、黄白色の小花多数つけ、藍色の実を結ぶ。根・茎は漢方木防已もくぼういといい、薬用。あおつづらふじ。

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精選版 日本国語大辞典 「かみえび」の意味・読み・例文・類語

かみ‐えび

  1. 〘 名詞 〙 植物「あおつづらふじ(青葛藤)」の異名。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「かみえび」の意味・わかりやすい解説

カミエビ
かみえび
[学] Cocculus orbiculatus (L.) DC.
Cocculus trilobus (Thunb.) DC.

ツヅラフジ科(APG分類:ツヅラフジ科)の落葉藤本(とうほん)。雌雄異株。枝や葉柄は白毛で覆われる。葉は互生し、広卵形で、全縁。3浅裂するものもある。7~8月ごろ葉腋(ようえき)からやや長めの花序を出し、小形の淡黄色の花を多数つける。萼片(がくへん)、花弁ともに6枚。雄花には6本の雄しべ雌花には6枚の心皮がある。核果は黒藍(こくらん)色で粉白を帯びる。北海道南部、本州、四国、九州の山野にごく普通にみられ、アジアに広く分布する。根および茎は木防已(もくぼうい)と称され、利尿薬、鎮痛薬、解熱薬として用いられる。アオツヅラフジ、ピンピンカズラともいう。「カミ」は神、「エビ」はエビヅルのことといわれる。カミエビ属は約8種が東アジア、北アメリカ東部、メキシコ、アフリカに分布する。

[寺林 進 2019年9月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「かみえび」の意味・わかりやすい解説

カミエビ
Cocculus trilobus

ツヅラフジ科の落葉性つる植物で,山野の路傍に普通に生える。アオツヅラフジとも呼ばれる。茎は細く他物に巻きついて伸びる。葉は互生し広卵形または卵形で全縁,しばしば浅く3裂する。雌雄異株。7~8月に,葉腋に円錐花序をつくり,多数の黄白色の細かい花をつける。秋,直径5~8mmの球形の核果が黒色に熟する。

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百科事典マイペディア 「かみえび」の意味・わかりやすい解説

カミエビ

アオツヅラフジ

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世界大百科事典(旧版)内のかみえびの言及

【アオツヅラフジ】より

…山野にごく普通にみられるツヅラフジ科のつる性木本(イラスト)。カミエビの名もある。雌雄異株。…

※「かみえび」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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