日本大百科全書(ニッポニカ) 「かみのけ座」の意味・わかりやすい解説
かみのけ座
かみのけざ / 髪座
春先の宵、ほとんど頭上に、小さな星の群れが三角形状のかたまりになって見える淡い星座。この星の群れは、距離261光年のところにある散開星団で、星団が星座になっている珍しい例である。エジプト王エウエルゲテス(プトレマイオス3世)の妻ベレニケが、夫の戦勝を願ってその美しい髪を祭壇に捧(ささ)げたという一部史実に基づいた話が伝えられ、かつては「ベレニケの髪座」とよばれた。銀河座標の北極に位置する。
[藤井 旭]
『藤井旭著『春の星座』(1989・金の星社)』▽『小林悦子文、藤井旭写真『春・夏の星座』(1992・講談社)』▽『デイビッド・マリン著、長谷川哲夫訳『デイビッド・マリンの驚異の大宇宙』(2000・ニュートンプレス)』