デジタル大辞泉 「がね」の意味・読み・例文・類語 がね[接助・終助・接尾] [接助]《上代語》動詞の連体形に付く。願望・命令・意志などの表現を受けて、目的・理由を表す。…するように。…するために。→がに「ますらをは名をし立つべし後の世に聞き継ぐ人も語り継ぐ―」〈万・四一六五〉[終助]《上代語》動詞の連体形に付く。推量・期待・許容などの意を表す。…だろう。…してほしい。…でもかまわない。「雪寒み咲きには咲かず梅の花よしこのころはかくてもある―」〈万・二三二九〉[接尾]《助詞「がね」からの転用》名詞に付いて、「…の候補者」「…の材料」などの意を表す。「幸ひ人の腹の后―こそ、又追ひすがひぬれ」〈源・少女〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「がね」の意味・読み・例文・類語 がね [ 1 ] 〘 副詞助 〙 ( 本来は名詞と考えられる ) 動詞の連体形を受けて、「…するため」「…するよう」「…の料に」の意を表わす。[初出の実例]「万代に 言ひ継ぐ可禰(ガネ)と 海(わた)の底 沖つ深江の 海上の 子負(こふ)の原に み手づから 置かし給ひて」(出典:万葉集(8C後)五・八一三)「万代の 語らひ草と 未だ見ぬ 人にも告げむ 音のみも 名のみも聞きて 羨(とも)しぶる我禰(ガネ)」(出典:万葉集(8C後)一七・四〇〇〇)[ 2 ] 〘 接尾語 〙 ( [ 一 ]から転じ、体言を受ける用法 ) …するためのもの。…の料。中古には「后がね」「坊がね」「大臣がね」「聟がね」など、候補者の意に用いられる。[初出の実例]「高行くや 隼別(はやぶさわけ)の 御襲(みおすひ)賀泥(ガネ)」(出典:古事記(712)下・歌謡)「このむこがねによみてをこせたりける」(出典:伊勢物語(10C前)一〇)「おほきおとどの后がねの姫君」(出典:源氏物語(1001‐14頃)常夏)がねの語誌[ 一 ]の用法は主に上代に用いられ、中古以降は、終止形接続の副助詞「がに」を吸収する形で連体形接続の「がに」に変化する。中古以降の「がに」は、上代の「がね」の語義・用法をほぼそのまま受け継いでいる。→がに〔副助〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
デジタル大辞泉プラス 「がね」の解説 ガネ 九州、特に熊本県の天草地方や鹿児島県などに伝わる郷土料理。拍子木切り、または千切りにしたサツマイモに衣を絡めてかき揚げ風に揚げたもの。“ガネ”は当地の方言でカニを意味し、細長い形状がカニの足に似ていることが名称の由来とされる。ガネ揚げ。 出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報