キティ台風(読み)きてぃたいふう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キティ台風」の意味・わかりやすい解説

キティ台風
きてぃたいふう

1949年(昭和24)8月31日に神奈川県小田原市付近に上陸した台風で、関東南部では20メートルを超す暴風が吹き、横浜では最大瞬間風速44.3メートルを記録した。この台風は上陸後も勢力をあまり弱めず関東地方を北上したため、関東北部や新潟県の山間部で大雨が降り、渡良瀬川(わたらせがわ)の堤防が決壊するなどのほか小河川の出水が著しかった。また、台風の通過満潮が重なったため東京湾などでは高潮がおこり、荒川沿いに広がるゼロメートル地帯はほぼ全域が浸水し、船舶の被害が多発した。とくに横浜港では、停泊中の90隻のうち26隻が沈没するなど開港以来の大災害となった。全国の死者・行方不明者は160人、船舶の被害は沈没167隻を含め2925隻に上った。

 キティKittyの名称の由来は、第二次世界大戦後に連合軍気象隊が台風の発生順序に従ってABC……の頭文字をもつ女性名を順次つけていったことによる。

饒村 曜]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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