ギブス石(読み)ぎぶすせき(英語表記)gibbsite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギブス石」の意味・わかりやすい解説

ギブス石
ぎぶすせき
gibbsite

ボーキサイトの主成分鉱物土壌鉱物あるいは低温熱水生成鉱物として産し、六角板状自形結晶をなす。また塊状、皮膜状の団塊を形成する。バイエル石、ノルドストランド石、ドイル石doyleite(化学式δ(デルタ)-Al(OH)3)と同質四像関係にある。ギブス石自身についても、普通にみられる単斜相のほかに多型関係にある三斜相がある。日本では、香川県屋島の安山岩台地の上にボーキサイト類似のものが発達するほか、団塊状のものは第四紀の堆積(たいせき)物中に産することがあり、栃木県日瓢(にっぴょう)鉱山では再結晶チャート中に細脈をなす。アメリカの鉱物収集家ギブスGeorge Gibbs(1777―1834)にちなんで命名された。

加藤 昭 2016年3月18日]


ギブス石(データノート)
ぎぶすせきでーたのーと

ギブス石
 英名    gibbsite
 化学式   Al(OH)3
 少量成分  ―
 結晶系   単斜,三斜
 硬度    2.5~3.5
 比重    2.42
 色     白,無
 光沢    ガラス
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目参照

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギブス石」の意味・わかりやすい解説

ギブス石
ギブスいし
gibbsite

Al(OH)3 ,または Al2O3・3H2O 。単斜晶系の鉱物。水礬土石 (すいばんどせき) ともいう。硬度 2.5~3.5,比重 2.3~2.4。白~灰白色。板状。含アルミニウムケイ酸塩鉱物の変質によって生じた2次鉱物で,ボーキサイトの成分鉱物。ボーキサイトまたはラテライト鉱床に産する。

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