クリッペ(読み)くりっぺ(その他表記)klippe

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クリッペ」の意味・わかりやすい解説

クリッペ(地学)
くりっぺ
klippe

地質学上の用語。水平に近い低角度の衝上(しょうじょう)断層によって移動してきた岩体ナップ)が、侵食作用によって本体から切り離されて孤立した地塊。したがって、新しい岩石からなる山体の上に山頂部にだけ古い岩体がのることになる。

 ヨーロッパアルプスのグラールス衝上断層に伴うものが有名で、日本では関東山地の跡倉(あとくら)ナップや、九州の四万十帯(しまんとたい)の延岡(のべおか)衝上断層に伴うものが知られている。

[吉田鎮男・村田明広]

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百科事典マイペディア 「クリッペ」の意味・わかりやすい解説

クリッペ

根なし山とも。デッケン構造をなす地域において,押しかぶさった上位の岩体の大部分浸食によって削り去られ,一部が孤立して残っているもの。
→関連項目アルプス[山脈]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クリッペ」の意味・わかりやすい解説

クリッペ
Krippe

もとドイツ語で「まぐさ桶」の意。キリスト降誕を祝って,クリスマス粘土張り子で作る人形。まぐさ桶に寝る幼子のキリストを羊飼いと東方三博士 (→東方三博士の礼拝 ) が拝む場面を表わす。今日でもカトリックの国ではクリスマス頃になるとよく見かける。ミュンヘンのバイエルン国立博物館のコレクションが有名。

クリッペ

根無地塊」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のクリッペの言及

【ナップ】より

…根では,一般に地層は垂直に近く急傾斜している。ナップが浸食によって根から切り離され,孤立して分布するとき,クリッペklippeとよぶ。有名なミテン山のクリッペは,白亜系~古第三系のフリッシュ層の上により古い三畳系~ジュラ系がのっている。…

※「クリッペ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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