クロロプレン(読み)くろろぷれん(その他表記)chloroprene

翻訳|chloroprene

デジタル大辞泉 「クロロプレン」の意味・読み・例文・類語

クロロプレン(chloroprene)

触媒の存在下でアセチレン塩化水素を反応させて得られる無色液体ブタジエン塩素からも製造される。重合してクロロプレンゴムとなる。

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精選版 日本国語大辞典 「クロロプレン」の意味・読み・例文・類語

クロロプレン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] chloroprene ) ブタジエンの塩素化物。化学式 CH2=CClCH=CH2 無色の揮発性液体。水には溶けないが、多く有機溶剤に溶ける。耐油性の合成ゴムの製造原料とする。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロロプレン」の意味・わかりやすい解説

クロロプレン
くろろぷれん
chloroprene

ハロアルケン(ハロゲン原子をもつアルケン)の一つ。正しくは2-クロロ-1,3-ブタジエンという。揮発性の無色液体。工業的製法として、ブタジエンから合成する方法がある。ブタジエン法は、ブタジエンを300℃で塩素化したのち銅塩触媒により異性化させて得た3,4-ジクロロ-1-ブテンを、水酸化ナトリウム水溶液で脱塩化水素することにより製造する。

 光、熱、酸素により容易に重合する。乳化重合して得た重合体は耐熱性、耐薬品性、耐老化性、難燃性をもち、ネオプレンの商品名で知られる合成ゴムとして広く利用され、またゴム系接着剤としても用いられている。

[谷利陸平]



クロロプレン(データノート)
くろろぷれんでーたのーと

クロロプレン
  CH2=CClCH=CH2
 分子式 C4H5Cl
 分子量 88.5
 融点  ―
 沸点  59.4℃
 比重  0.957(測定温度20℃)
 屈折率 (n) 1.4583

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化学辞典 第2版 「クロロプレン」の解説

クロロプレン
クロロプレン
chloroprene

C4H5Cl(88.54).2-クロロ-1,3-ブタジエン(2-chloro-1,3-butadiene)ともいう.脂肪族ハロゲン置換ジオレフィン類の一つ.工業的製法は,アセチレンを二量化してビニルアセチレンを合成し,これに塩化水素を付加する方法から,ブタジエンに塩素付加すると得られる3,4-ジクロロ-1-ブテンを,脱塩化水素して合成する方法へと転換している.重合すると得られる合成ゴムは,耐候性,耐老化性,耐油性,耐薬品性にすぐれている.揮発性の無色の液体.沸点59.4 ℃.0.9585.1.4583.各種有機溶剤に可溶,水に不溶.合成ゴム(クロロプレンゴム)の製造原料に用いられる.[CAS 126-99-8]

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改訂新版 世界大百科事典 「クロロプレン」の意味・わかりやすい解説

クロロプレン
chloroprene

2-クロロ-1,3-ブタジエンにあたる。化学式CH2=CClCH=CH2。沸点59.4℃,比重0.957の無色揮発性液体。水には難溶だが,エチルアルコールエーテルには任意の割合で溶解する。きわめて重合しやすく,放置しても重合してゴム状のポリクロロプレンになる。アセチレンを塩化第一銅と塩化アンモニウム錯塩水溶液に通じて得られる1-ブテン-3-イン(モノビニルアセチレン)に,塩化第一銅存在下で塩化水素を付加させて得られる。

 クロロプレンを主成分とする共重合体は,ネオプレンの名で知られる合成ゴムの一種で,この合成ゴムの物理的性質は天然ゴムのそれと大差ないが,耐候性,耐油性,耐薬品性においてはまさっており,耐油ホース,電線被覆などに使用される。
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百科事典マイペディア 「クロロプレン」の意味・わかりやすい解説

クロロプレン

化学式はCH2=CCl−CH=CH2。特有の臭気を有する無色の液体。沸点59.4℃,比重0.957。水に難溶,有機溶媒に易溶。ブタジエンの塩素化で得られるジクロロブテンの脱塩酸によって合成される。クロロプレンゴムの原料。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロロプレン」の意味・わかりやすい解説

クロロプレン
chloroprene

合成ゴムの原料の一種。アセチレンを塩化銅-塩化アンモニウム錯塩水溶液に通し,塩化水素を加えて製造するか,またはブタジエンを塩素化したのち脱塩酸しても製造できる。揮発性のある無色の液体。

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