地球温暖化対策や夏期の電力不足の解消、消費喚起効果をねらって、日本政府が推奨している軽装運動、およびそうした軽装。夏の間、室内の冷房温度を28℃程度に設定しても効率的に働けるように、体感温度が2度程度下がるとされる「ノーネクタイ、ノージャケット」スタイルで活動することを意味する。2005年(平成17)、環境省の公募に寄せられた約3200通のなかから従来の「省エネルック」にかわって「クールビズ」ということばが選ばれた。「涼しい」「かっこいい」という意味のある「クール」と、仕事を意味する「ビジネス」を組み合わせた造語。
クールビズの導入で、2005年の夏から、東京・霞が関の中央省庁やほとんどの地方自治体が公式行事を除いてノーネクタイ・上着なしの軽装を採用した。2006年以降は多くの民間企業も実施している。実施期間は地域や民間企業によってまちまちだが、6月初めから9月末までをクールビズ期間としているところが多い。
クールビズ運動にあわせ、紳士服メーカーなどの衣料品会社や百貨店などの小売業界が一斉に、ネクタイなしでもだらしなく見えない開襟シャツやこれにあわせたスラックス、上着、ベルトなどを発売。襟が高めのボタンダウンシャツの売れ行きが急増し、家計調査によると、2005年8月の「男子用洋服」の支出額は前年度比30.5%増と大きな伸びを記録した。
環境省はクールビズの認知度は国民の9割を超えており、クールビズ運動による冷房エネルギーの削減で二酸化炭素の排出は初年度の2005年が46万トン、2006年が126万トン、2007年が140万トン、2008年が172万トン減少したとしている。
[編集部]
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(上間常正 朝日新聞記者 / 2007年)
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