グアヤキル(その他表記)Guayaquil

デジタル大辞泉 「グアヤキル」の意味・読み・例文・類語

グアヤキル(Guayaquil)

エクアドル南西部の都市太平洋に注ぐグアヤス川下流部に位置する。同国最大の貿易港でコーヒー・カカオパナマ帽などを輸出人口、行政区222万(2008)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グアヤキル」の意味・わかりやすい解説

グアヤキル
Guayaquil

正式名称はサンチアゴデグアヤキル Santiago de Guayaquil。エクアドル南西部,グアヤス州州都。同国最大の都市。グアヤス川の河口から約 50km上流の西岸に位置する。 1530年代に現在地の東,ババオヨ川の流入点にスペイン人によって建設された集落が2度にわたるインディオとの抗争で破壊されたのち,37年新たに現在地に建設された。植民地時代にはしばしば海賊の攻撃を受けた。 1822年,南アメリカ諸国独立運動の二大指導者 S.ボリバルサン=マルティンが歴史的会見をした地として知られる。赤道に近い熱帯低地にあり,長い間不健康地とされてきたが,1920年以降ロックフェラー財団の協力を得てエクアドル政府により土木工事と衛生施設の建設が進められた結果,市の衛生状態は著しく改善された。この間野口英世がこの地で黄熱病撲滅に献身,現在市内に「野口通り」の名を残している。近代になって南アメリカ太平洋岸有数の大港湾都市に発展,エクアドルの国際貿易,国内商業の最大の中心地となるとともに,工業都市としても成長し,政治の中心である首都キトに対して,経済の中心地としての地位を築いた。主要工業は製糖,鉄冶金,機械,皮革製材,および各種消費財の製造など。近年エビ漁も経済的に重要となってきている。 62年市の下流約 10kmのグアヤス川沿岸に近代的な外港プエルトマリティモが建設された。市街は 42年の地震で大きな被害を受けたが,その後大部分再建され,植民地時代の聖ドミンゴ聖堂 (1548) ,聖フランシスコ大聖堂などが保存されている。グアヤキル大学 (1867) ,グアヤキル・カトリカ大学 (1962) の所在地。キトと鉄道,道路で結ばれ,北郊にシモンボリバル国際空港がある。人口 150万 8444 (1990) 。

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改訂新版 世界大百科事典 「グアヤキル」の意味・わかりやすい解説

グアヤキル
Guayaquil

エクアドルの太平洋岸に面する港湾都市で,グアヤス州の州都。人口209万0039(2003)。グアヤス河口より56km上流の西岸に大市街地が広がる。川の両岸に港湾施設を持ち,バナナやカカオ,コーヒーなどの主要産品の積出しを行うほか,同国最大の輸入港として活気を見せ,労働人口の集中化に伴って住民数は1922年以後,首都キトの人口を上回っている。気候は高温多湿だが沖合を流れるフンボルト海流の影響をうけ,12月~4月の雨季以外はしのぎやすい。野口英世が黄熱病の研究のために立ち寄ったが,現在でもチフス,コレラなどの伝染病が発生する不健康地である。市は1537年に創設され植民地時代はパナマとリマとの中継地として栄えたが,いくども海賊の襲撃により焼失した。独立以後,商業に根ざした自由主義的風土は,首都キトの保守的な政策と対立を深め,同国の急進的な政治運動のメッカでもある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グアヤキル」の意味・わかりやすい解説

グアヤキル
ぐあやきる
Guayaquil

南アメリカ北西部、エクアドル南西部の港市。グアヤス川の右岸、グアヤキル湾への河口から約60キロメートル上流にあり、同国最大の貿易港として、輸入のほとんど全部、輸出の約半分を扱う。人口195万2029(2001)。製材、鋳造、機械、醸造などの工場があり、カカオ、コーヒー、パナマ帽、皮革などを輸出する。エクアドルの経済活動の中心であり、市街地の中心部はみごとな近代的景観を呈する。雁木(がんぎ)状に2階以上の部分が歩道の上にせり出した市街地建築が特徴的である。郊外には巨大なスラムがある。年間を通じて蒸し暑く、1536年に建設されてから長らく黄熱病に悩まされ、その対策に野口英世(ひでよ)も訪れた。住民にはメスティソが多く、治安問題がしばしば起こる。

[山本正三]

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百科事典マイペディア 「グアヤキル」の意味・わかりやすい解説

グアヤキル

エクアドル南西部,太平洋岸の港湾都市。同国最大の商工業都市で,1922年以来,首都キトの人口を上回っている。1537年に建設され,パナマとリマの中継地として栄えた。1918年,野口英世が黄熱病調査のため立ち寄っている。227万8691人(2010)。

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