日本大百科全書(ニッポニカ) 「コミュニケーション政策」の意味・わかりやすい解説
コミュニケーション政策
こみゅにけーしょんせいさく
communication policy
一般的にいえば、社会的な情報システムや、コミュニケーション・システムの構造、規制に関する国家政策の包括的呼称。場合によっては新聞、出版、放送などのマス・メディア政策をいうことも、また、とくに有線・無線を含む電気通信システムに関する国家政策をいうこともある。近年にわかに脚光を集め、世界的にも注目されつつある政策領域である。これは、主として1960年代の後半から先進資本主義諸国において、いわゆる情報化社会が展開した過程で、電子技術の高度化による新たな情報通信の手段やシステムの開発や普及を国家的に整序する必要が高まったことによるもので、最近のコミュニケーション政策はこれに対応するものといえる。最近の情報・通信技術やニュー・メディアの発展による情報化社会の高度化あるいは情報流通の国際化を考えると、コミュニケーション政策の重要性は今後ますます増大していくものと思われる。
[内川芳美]
『ユネスコ著、永井道雄監訳『多くの声、一つの世界』(1980・日本放送出版協会)』