硬派(読み)コウハ

デジタル大辞泉 「硬派」の意味・読み・例文・類語

こう‐は〔カウ‐〕【硬派】

自分たちの意見主義を強く主張し押し通そうとする一派強硬派。「硬派の意見に押される」⇔軟派
新聞・雑誌などで、文芸や芸能関係の記事に対して、政治・経済関係の記事。また、その記者。さらに、広く放送出版などで、かたくまじめな内容や姿勢にいう。「硬派の雑誌」「硬派出版社」⇔軟派
女性と交際したり服装に気をつかったりすることを軟弱とみなして反発し、ことさらに腕力や男らしさを強調する態度。また、そのような青年や、一派。「硬派で鳴らす」⇔軟派
[類語]与太者ならず者地回りやくざ暴力団無頼漢無法者ごろつきごろちんぴら不良番長暴走族走り屋愚連隊極道アウトローヤンキー

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「硬派」の意味・読み・例文・類語

こう‐はカウ‥【硬派】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 自分の意見や主義、信念を強く主張し、貫こうとする傾向の人々。強硬派。
    1. [初出の実例]「彼の予算問題に硬派が陸海軍省所管の経費査定案を半日に決議し去り」(出典:東京日日新聞‐明治二四年(1891)三月一四日)
  3. 女性との交遊、華美な服装などを柔弱であるとして反発し、理想や主義主張、男らしさに価値を置く人々。特に、とかく腕力に訴えたがる青少年の一派。⇔軟派
    1. [初出の実例]「その頃の生徒仲間には軟派と硬派とがあった」(出典:ヰタ・セクスアリス(1909)〈森鴎外〉)
  4. 広告業界で、鉄、セメント石油、電気、重工業などをいう。
  5. 取引市場で、相場がもっと上がると予想し、買い手に回る人々。強気筋。⇔軟派
    1. [初出の実例]「昨今の株式が斯く低落を来すは、硬派が投出せるに因ると雖も」(出典:国民新聞‐明治三〇年(1897)一月六日)
  6. 新聞記者仲間で、政治、経済などの記事を扱う者。⇔軟派
    1. [初出の実例]「本社の職員は社長の外編輯員四十名にして、内硬派を十七名とし軟派を十六名とす」(出典:風俗画報‐二二八号(1901)日出新聞社)

硬派の語誌

→「軟派(なんぱ)」の語誌

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の硬派の言及

【軟派】より

…一般には〈強硬な意見を主張する硬派〉の対立概念として,意見や主張が軟弱な集団または個人,あるいはその属性を意味するが,個々の局面では,さまざまに対立する属性を〈硬と軟〉にわけて,隠喩的に表現するために用いられることが多い。例えば,いつの時代にも,一般市民の良識の世界からはみ出して,その顰蹙(ひんしゆく)を買うみずからの品行の悪さを誇ることにより,自己の存在証明を確かめようとするいわゆる“不良少年少女”が存在するが,彼らのライフスタイルを類型化する際に,主として〈腕力をふるい暴力行為に傾斜するもの〉を硬派と呼ぶのに対して,〈異性との交遊や華美な服装に流れるもの〉を軟派と呼び,現在では異性との交遊を求める行為を〈ナンパする〉などといい,動詞的にも用いられる。…

※「硬派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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