デジタル大辞泉
「硬派」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
こう‐は カウ‥【硬派】
〘名〙
① 自分の意見や主義、
信念を強く主張し、貫こうとする傾向の人々。強硬派。
※東京日日新聞‐明治二四年(1891)三月一四日「彼の予算問題に硬派が陸海軍省所管の経費査定案を
半日に決議し去り」
② 女性との
交遊、華美な服装などを
柔弱であるとして反発し、理想や主義主張、男らしさに価値を置く人々。特に、とかく腕力に訴えたがる
青少年の一派。⇔
軟派。
③ 広告業界で、鉄、
セメント、
石油、電気、重工業などをいう。
④ 取引市場で、相場がもっと上がると予想し、買い手に回る人々。
強気筋。⇔
軟派。
※国民新聞‐明治三〇年(1897)一月六日「
昨今の株式が斯く
低落を来すは、硬派が投出せるに因ると雖も」
⑤ 新聞記者仲間で、政治、経済などの記事を扱う者。⇔
軟派。
※風俗画報‐二二八号(1901)日出新聞社「本社の職員は社長の外編輯員四十名にして、内硬派を十七名とし軟派を十六名とす」
[語誌]→「軟派(なんぱ)」の語誌
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の硬派の言及
【軟派】より
…一般には〈強硬な意見を主張する硬派〉の対立概念として,意見や主張が軟弱な集団または個人,あるいはその属性を意味するが,個々の局面では,さまざまに対立する属性を〈硬と軟〉にわけて,隠喩的に表現するために用いられることが多い。例えば,いつの時代にも,一般市民の良識の世界からはみ出して,その顰蹙(ひんしゆく)を買うみずからの品行の悪さを誇ることにより,自己の存在証明を確かめようとするいわゆる“不良少年少女”が存在するが,彼らのライフスタイルを類型化する際に,主として〈腕力をふるい暴力行為に傾斜するもの〉を硬派と呼ぶのに対して,〈異性との交遊や華美な服装に流れるもの〉を軟派と呼び,現在では異性との交遊を求める行為を〈ナンパする〉などといい,動詞的にも用いられる。…
※「硬派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」