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こわれ甕 こわれがめDer zerbochene Krug

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

こわれ甕
こわれがめ
Der zerbochene Krug

ドイツの劇作家,小説家ハインリヒ・フォン・クライストの喜劇。 1808年ワイマールでゲーテによって初演されたが,大失敗に終った。村長兼判事のアダムは村の娘の部屋に忍び込むが,娘のいいなずけが現れ,あわてて逃げ出すとき家宝の甕をこわしてしまう。いいなずけが訴えられ,真犯人が判事となっての裁判劇となる。軽妙で機知に富んだドイツ喜劇の傑作。

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デジタル大辞泉の解説

こわれがめ〔こはれがめ〕【こわれ甕】

《原題、〈ドイツ〉Der zerbrochene Krugクライスト戯曲。一幕。1808年初演。甕を壊した村長がみずから事件を裁くはめになり、罪を他人に着せようとするが、悪事が露見する。近代ドイツ喜劇の傑作。

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世界大百科事典 第2版の解説

こわれがめ【こわれ甕 Der zerbrochene Krug】

クライスト作の喜劇。1806年刊。スイス滞在中の作者が一枚の銅版画から着想したものという。オランダの小村の男やもめの村長アーダムは,若い村娘エーフェに言い寄って,夜その部屋に忍び込むが,婚約者の若者に不意を襲われ逃げるはずみに娘の母親であるやもめが大切にしていた水甕を壊してしまう。劇は翌朝村長があちこちけがをしてうなっているところから始まるが,折も折,中央から司法顧問官のワルターが見回りに立ち寄ったのと,運悪く開廷日とあって,怒ったやもめが割れた水甕を抱え,娘の婚約者を犯人だといって訴え出て来るので,村長はとうとう裁判を行わねばならなくなり,さんざん悪戦苦闘したが,結局自分で自分を裁くはめに陥って逃げ出すという筋。

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大辞林 第三版の解説

こわれがめ【こわれ甕】

クライストの戯曲。1808年成立。甕をこわした真犯人の村長が、みずから事件を裁くはめとなり、他人に罪をなすりつけようとして躍起になるが、次々と化けの皮がはがれていく。ドイツ性格喜劇の傑作。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

こわれ甕
こわれがめ
Der zerbrochne Krug

ドイツの劇作家クライストの一幕喜劇。1806年成立、08年ワイマールで初演。近代ドイツ喜劇の代表的傑作。オランダの農村を舞台にした裁判劇。好色な裁判官アダムは闇夜(あんや)、村の娘エーフェ(イブ)の部屋に忍び込むが、彼女の恋人ループレヒトと鉢合わせし、窓から飛び落ちる。そのとき由緒のある甕を壊し、足を痛め、裁判官の鬘(かつら)まで落っことす。翌日エーフェの母が「こわれ甕」を手に、ループレヒトを訴えるに及んで、アダムは自分が犯人であるこの一件を裁くはめになる。おりから巡察中の司法顧問官の監督下、彼は罪を他人に着せようと躍起になる。だがアダムのようすから真相を先刻承知の観客の前で、彼の詭弁(きべん)や嘘(うそ)八百の化けの皮が次々にはげ落ちる。隠したり暴いたりの巧妙な言語遊戯も見ものである。アダムの出たとこ勝負の大芝居は、この作を状況喜劇のみならず出色の性格喜劇にもしている。アダムに憎めない悪人をみるときは牧歌的人間喜劇の趣(おもむき)が濃いが、社会体制の権力に対する批判や風刺のリアリズム喜劇とする見方もある。[中村志朗]
『手塚富雄訳『こわれがめ』(岩波文庫)』

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