サセックス石(読み)させっくすせき(その他表記)sussexite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サセックス石」の意味・わかりやすい解説

サセックス石
させっくすせき
sussexite

マンガン(Mn)の含水ホウ酸塩鉱物ザイベリー石のMn2+置換体に相当する。両者でザイベリー石系を構成する。自形は未報告。形態的には繊維状あるいは針状。変成層状マンガン鉱床中に産し、日本では比較的高品位のマンガン鉱石に伴われ、しばしば細脈をなす。栃木県鹿沼(かぬま)市発光路(ほっこうじ)鉱山閉山)、高知県香美(かみ)市松尾鉱山(閉山)などから報告されている。

 共存鉱物は菱(りょう)マンガン鉱、ハウスマン鉱パイロクロアイト、マンガン橄欖(かんらん)石(テフロ石)、アレガニー石など。同定は繊維状の外観、繊維の柔軟性、風化した場合に生ずる二酸化マンガンの黒色のしみによる。日本では共存するマンガン鉱物はすべてMn含有量の高い鉱石鉱物ばかりである。過剰の水分を含むものがあり、ホウ素(B)の一部がB⇔H3の形で置換されているため、理想値よりB2O3が低く、H2Oが高い。岩手県九戸(くのへ)郡野田(のだ)村野田玉川鉱山(閉山)で産した。命名は原産地フランクリン・ファーネスFranklin Furnaceのあるアメリカ、ニュー・ジャージー州サセックスSussex郡に由来する。

加藤 昭 2016年9月16日]


サセックス石(データノート)
させっくすせきでーたのーと

サセックス石
 英名    sussexite
 化学式   Mn2+2[OH|B2O4OH]
 少量成分  Mg,Fe,Ca,Zn
 結晶系   単斜。直方多型の存在が暗示されているが未報告
 硬度    3~3.5
 比重    3.34
 色     帯紅白,淡灰黄
 光沢    絹糸~土状
 条痕    白
 劈開    おそらく2方向
       (「劈開」の項目を参照

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最新 地学事典 「サセックス石」の解説

サセックスせき
サセックス石

sussexite

化学組成MnBO2(OH)の鉱物。サセックサイトとも。単斜晶系,空間群P21/a,格子定数a1.287nm, b1.072, c0.328, β94.7°,単位格子中8分子含む。繊維状結晶の集合からなる脈,陶器ないし白土様の塊。白ないし帯ピンク白色,麦わら色,絹糸~土状光沢。劈開未決定。硬度3~3.5,比重3.30(測定),3.43(計算)。薄片では無色,屈折率α1.670,β1.728,γ1.732,2V(-)~25°, 光分散rv。MnをMgで置換したザイベリー石と固溶体をなす。米国ニュージャージー州サセックス郡Franklinの変成マンガン鉱床およびスイス・日本などの類似鉱床中に産出。日本では,ハウスマン鉱・菱マンガン鉱・テフロ石・園石などを主とする鉱石中に,神保石・ウィゼル石(wiserite)などのホウ酸塩鉱物とともに福井県三方郡若狭町藤井鉱山などから産する。名称はサセックス郡の名前に由来。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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