制酸剤(読み)セイサンザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版「制酸剤」の解説

制酸剤

製品名
《乾燥水酸化アルミニウムゲル製剤》
アルミゲル(中外製薬)
乾燥水酸化アルミニウムゲル(健栄製薬、三恵薬品、日興製薬、ニプロ、ファイザー、丸石製薬、マイラン製薬)
《酸化マグネシウム製剤》
酸化マグネシウム(グラフィコ、健栄製薬、小堺製薬、トライックス、東洋製薬化成、日医工、日本ジェネリック、日興製薬販売、ニプロ、ファイザー、マイラン製薬、丸石製薬、持田製薬、持田製薬販売、山善製薬、吉田製薬)
重カマ(吉田製薬)
重質酸化マグネシウム(岩城製薬、小野薬品工業、健栄製薬、三恵薬品、シオエ製薬、東海製薬、東洋製薬化成、日興製薬、日医工、日本新薬、ファイザー、マイラン製薬)
マグミット(協和化学工業、シオエ製薬、日本新薬、日医工、丸石製薬)
《水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム配合剤》
アイスフラット(長生堂製薬、日本ジェネリック)
アシドレス(カイゲンファーマ、中北薬品)
タイメック(武田テバファーマ、武田薬品工業)
ディクアノン(岩城製薬、日新製薬)
マグテクト(日医工)
マックメット(沢井製薬)
マルファ(小野薬品工業、東洋製薬化成)
マーレッジ(東和薬品)
マーロックス(サノフィ)
リタロクス(鶴原製薬)
《水酸化マグネシウム製剤》
ミルマグ(エムジーファーマ、共和薬品工業、高田製薬)
《炭酸水素ナトリウム製剤》
重曹(安藤製薬、ニプロファーマ、ファイザー、マイラン製薬)
炭酸水素ナトリウム(恵美須薬品化工、小野薬品工業、健栄製薬、小堺製薬、三恵薬品、シオエ製薬、司生堂製薬、昭和製薬、大成薬品工業、タツミ薬品工業、東海製薬、東洋製薬化成、中北薬品、日本新薬、日興製薬、日医工、ニプロ、扶桑薬品工業、丸石製薬、山善製薬、吉田製薬)
《沈降炭酸カルシウム製剤》
炭カル(旭化成ファーマ、小林化工、吉田製薬)
沈降炭酸カルシウム(恵美須薬品化工、健栄製薬、小堺製薬、司生堂製薬、日医工、日興製薬販売、ファイザー、マイラン製薬、山善製薬、吉田製薬)

 制酸剤は、潰瘍かいようの原因となる胃酸を中和させ、酸性で消化力の強いペプシンの作用を消滅させたり、低下させる薬です。現在使用されている薬は従来のものに比べて、作用はおだやかで持続性があり、効果も確実で、副作用もほとんどみられません。消化性潰瘍十二指腸潰瘍)のほか、胃炎神経性食欲不振胃下垂症胃酸過多症などの治療にも用いられます。


 沈降炭酸カルシウム製剤には、慢性腎不全の人の高リン血症の改善に使用される薬剤もあります高リン血症改善剤


 薬によって、長期間・大量に使用するとアルミニウム脳症、アルミニウム骨症、貧血、腎結石じんけっせき、高マグネシウム血症(呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止、吐き気・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚紅潮、筋力低下、傾眠などの症状)、尿路結石をおこすことがあります。こうした症状がおこったときは、使用を中止してすぐ医師に報告してください。また、食欲不振、下痢、便秘などをおこすことがあります。


①錠剤、散剤、顆粒、液剤があります。1日あるいは1回の服用量、服用時間については、医師・薬剤師の指示を守ってください。服用するときは、十分な水(コップ1杯の水)で飲んでください。


腎臓病じんぞうびょう、心機能障害、肺機能障害、高マグネシウム血症、下痢といった病気のある人は、あらかじめ医師にその旨を報告してください。


 血液透析療法中の人では、乾燥水酸化アルミニウムゲルやヒドロタルサイト製剤を、甲状腺こうじょうせん機能低下症や副甲状腺機能亢進症こうじょうせんきのうこうしんしょうの人は、沈降炭酸カルシウム製剤を、ナトリウム摂取制限を受けている人は炭酸水素ナトリウム製剤を、牛乳に対しアレルギーがある人は水酸化マグネシウム製剤を使用できません。


③この薬のほかに、現在用いている薬がある人は、必ず医師に報告してください。


 とくに、テトラサイクリン系抗生物質キノロン系抗菌剤ケノデオキシコール酸製剤鉄剤などと併用すると、これらの薬の吸収を悪くするので、時間をずらして服用してください。


④大量の牛乳やカルシウム製剤、活性型ビタミンD3製剤、クエン酸製剤と併用すると、高カルシウム血症や高窒素血症こうちっそけっしょうなどをおこすこともあるので、避けてください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)「制酸剤」の解説

制酸剤
せいさんざい

胃腸薬の一種で、胃酸を中和し、または吸着してその作用を減じ、あるいはゲル状を呈して胃の粘膜に付着し、潰瘍(かいよう)面を覆って保護し、酸刺激を緩和する医薬品をいう。胃酸過多症、胃・十二指腸潰瘍、胃炎の治療に用いる。またジアスターゼなどの消化酵素の効果を高めるために併用される。中和剤としておもにアルカリ剤が利用されるが、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムの無機化合物が多い。そのほか陰イオン交換樹脂も用いられたことがある。古くから用いられているものに、炭酸水素ナトリウムがある。しかし、これは胃酸の中和をするが、逆に胃液の分泌を促し、ふたたび酸が出てくる二次的酸分泌がみられる。また水溶性で消化管から吸収されるので、過量に用いるとナトリウムの吸収により体液のアルカローシスをおこすなどの副作用があるため、水に難溶の非吸収性(局所性)の制酸剤が主流を占めるに至っている。非吸収性のものには、乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウムなどの共沈化合物、それに吸着作用をもったケイ酸マグネシウムやケイ酸アルミニウム、あるいは炭酸カルシウムなどがある。アルミニウム、カルシウムは便秘を引き起こし、マグネシウムは下痢を生じさせるが、腸管への作用を少なくするために、これらの化合物あるいは混合物が用いられる。

[幸保文治]

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精選版 日本国語大辞典「制酸剤」の解説

せいさん‐ざい【制酸剤】

〘名〙 胃液中の酸を中和して、胃酸過多による胸やけなどの症状を緩和したり、潰瘍(かいよう)を治療したりする目的に使用する薬物。重曹、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムなど。〔殺人鬼(1931)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「制酸剤」の解説

制酸剤
せいさんざい
antacid

体内の酸,ことに胃酸過剰を一時的に抑制するための中和剤。ナトリウム,カリウムリチウムアンモニウム,カルシウム,マグネシウムなどの炭酸塩で,たとえば重曹 (重炭酸ソーダ) ,炭酸カルシウムなど。

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世界大百科事典内の制酸剤の言及

【制酸薬】より

…制酸剤ともいう。胃液中の塩酸を化学的に中和する薬物で,過酸症や消化性潰瘍の治療に用いられる内服アルカリ剤。…

※「制酸剤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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