ジュパンチッチ(その他表記)Oton Župančič

精選版 日本国語大辞典 「ジュパンチッチ」の意味・読み・例文・類語

ジュパンチッチ

  1. ( Oton Župančič オトン━ ) スロベニア詩人。スロベニア地方の風土への愛と被圧迫民族苦悩をうたう。リュブリャーナの国立劇場総監督として民族文化の発展にも貢献。(一八七八‐一九四九

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改訂新版 世界大百科事典 「ジュパンチッチ」の意味・わかりやすい解説

ジュパンチッチ
Oton Župančič
生没年:1878-1949

ユーゴスラビアの詩人。スロベニアの生れ。若くして《陶酔の時》(1899)を発表,デカダンスを謳歌した。ウィーンへ出て歴史と地理学を修め,のちヨーロッパ各地を遍歴,ドイツでは家庭教師で生計をたてた。帰国すると戯曲を書き,劇場支配人をつとめた。第2次大戦中は愛国詩で解放軍を激励し,戦後国会議員などの公職に就く。最後の詩集は《雪の常緑樹》(1945)。ツァンカルらとスロベニア近代文学を確立した功績は大きい。シェークスピア翻訳家,児童文学者としても有名。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジュパンチッチ」の意味・わかりやすい解説

ジュパンチッチ
Župančić, Oton

[生]1878.1.23. ビニツァ
[没]1949.6.11. リュブリャナ
スロベニアの詩人。ウィーン大学で歴史と地理学を学び,一時パリにも留学。スロベニアが新しく成立したユーゴスラビア国の一部となった際に,リュブリャナの国民劇場の支配人となり,1938年にスロベニア科学芸術アカデミーの一員に選出された。すでに中学時代から詩作を始め,近代主義派の詩人として文壇に認められた。『陶酔の一椀』 Čaša opojnosti (1899) ,『平原を越えて』 Čez plan (1904) ,『雪の下の日日草』 Zimzelen pod snegom (45) などの詩集があり,第2次世界大戦中は抗独レジスタンスの精神的支柱として,その詩はパルチザンに愛唱された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジュパンチッチ」の意味・わかりやすい解説

ジュパンチッチ
じゅぱんちっち
Oton Župančič
(1878―1949)

スロベニアの詩人。ウィーン大学卒業後リュブリャナで一時教職につくが、文学修業のためヨーロッパ遍歴の旅に出る。西欧シンボリズムの影響を受け、芳醇(ほうじゅん)な叙情性と高度に洗練された詩語をもつ独自の詩境を開拓し、散文のツァンカルとともに現代文学の旗手として、スロベニア詩とスロベニア文章語の発達に貢献した。処女詩集『陶酔の杯(さかずき)』(1899)はデカダンス的傾向をもつ。『野を越えて』(1904)はみずみずしい生命力、大地と民衆への信頼が律動する詩集。最後の詩集『雪の下の常磐木(ときわぎ)』(1945)は戦争の惨禍に対する憤怒、苦悩、悲嘆を歌う。

[栗原成郎]

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百科事典マイペディア 「ジュパンチッチ」の意味・わかりやすい解説

ジュパンチッチ

スロベニアの詩人,劇作家。詩集《陶酔の杯》《平原をよぎりて》《モノローグ》ほか。英・仏文学の翻訳も行う。リュブリャナ国民劇場長。

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世界大百科事典(旧版)内のジュパンチッチの言及

【ユーゴスラビア】より

… 20世紀に入って1918年には南スラブ諸族の統一国家ユーゴスラビアが成立するが,この20世紀の文学はスロベニアのモダニズム運動で幕をあける。社会正義派のツァンカル,ジュパンチッチの両詩人は,ユーゴスラビア文学がヨーロッパ文学と肩を並べられることを証明した。ボスニア・ヘルツェゴビナからはシャンティチAleksa Šantić(1868-1924),ドゥチッチJovan Dučić(1871-1943)に続き,アンドリッチも詩人として出発した。…

※「ジュパンチッチ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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