ジョセフソン効果(読み)ジョセフソンこうか(英語表記)Josephson effect

翻訳|Josephson effect

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョセフソン効果」の意味・わかりやすい解説

ジョセフソン効果
ジョセフソンこうか
Josephson effect

2つの超伝導体を弱く結合 (たとえば,数 nmの薄い絶縁体を通して接合) したときに起る超伝導現象。 1962年 B.ジョセフソンが理論的に見出した。2つの超伝導体に電圧をかけないでも,超伝導に特有な電子対がトンネル効果で絶縁膜を通過して一方向に流れるものを直流ジョセフソン効果という。外部から超伝導体間に電圧 V をかけると,それに比例する周波数 2eV/h ( e は電子の電荷hプランク定数 ) の交流電流が流れる。これを交流ジョセフソン効果という。これらの現象は2つの超伝導体の状態を与えるマクロの波動現象の位相の差が重要な働きをしていて,超伝導が波動的性格をもつ巨視的スケールでの量子効果であることを示している。巨視的スケールでの位相は,超流動ヘリウムの性質を説明するうえでも重要な概念になっている。ジョセフソン効果を示す構造をジョセフソン接合という。ジョセフソン効果は,直流効果と磁束量子化とを組合せた高感度磁束計 (スクイド ) や,交流効果を用いた国際電圧標準などに広く応用されている。一般にこの効果を利用した回路素子ジョセフソン素子と呼ばれ,高速スイッチング素子として期待されている。 (→磁束量子 )  

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