日本大百科全書(ニッポニカ) 「炭酸ストロンチウム」の意味・わかりやすい解説
炭酸ストロンチウム(データノート)
たんさんすとろんちうむでーたのーと
SrCO3 | |
式量 | 147.6 |
融点 | 1497℃(CO2気流中,60気圧) |
沸点 | ― |
比重 | 3.62 |
結晶系 | 斜方 |
溶解度 | 1.0mg/100g(水18℃) |
転位温度 | 920~927℃(→六方) |
[参照項目] |
炭酸ストロンチウム
たんさんすとろんちうむ
strontium carbonate
炭酸のストロンチウム塩。天然にストロンチアン石として産出する。人工的には、天青石(硫酸ストロンチウム)と炭酸ナトリウムの混合物を融解してつくる。副生した硫酸ナトリウムは水で抽出し除去する。ストロンチウム塩の水溶液に炭酸アンモニウムを加えると、純粋なものを沈殿として得ることができる。無色の結晶性物質で、水にほとんど溶けない。わずかに溶けた水溶液は加水分解のため弱アルカリ性を示す。酸に溶けて二酸化炭素を発生する。加熱すると次の反応によって解離する。
SrCO3SrO+CO2
種々のストロンチウム塩や酸化物、水酸化物の製造原料となる。
[鳥居泰男]
[補完資料] |