セグレ(読み)せぐれ(その他表記)Emilio Gino Segrè

デジタル大辞泉 「セグレ」の意味・読み・例文・類語

セグレ(Emilio Gino Segrè)

[1905~1989]米国物理学者イタリア生まれ。1938年渡米。テクネチウムを人工的につくり、プルトニウムなどを発見。第二次大戦中は原爆計画に参加O=チェンバレンとともに反陽子を発見し、ノーベル物理学賞受賞。

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精選版 日本国語大辞典 「セグレ」の意味・読み・例文・類語

セグレ

  1. ( Emilio Gino Segrè エミリオ=ジーノ━ ) イタリア生まれの物理学者。中性子・放射性化学など、核物理学分野を広く研究し、テクネチウム、プルトニウムなど多く超ウラン元素を発見。一九三八年アメリカに移住カリフォルニア大学教授。一九五九年共同研究者のチェンバレン(Owen Chamberlain)とともにノーベル物理学賞受賞。(一九〇五‐八九

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「セグレ」の意味・わかりやすい解説

セグレ
せぐれ
Emilio Gino Segrè
(1905―1989)

アメリカの物理学者。イタリア、チボリの生まれ。ローマ大学に学び、1928年フェルミの下で学位を得て同大学助手を振り出しに、ハンブルクアムステルダム原子分光学の研究に携わった。1932年ローマ大学助教授となり、フェルミと協力して中性子反応の先駆的研究を行った。1936年パレルモ大学に移り、当時としてはもっとも軽い未知の元素テクネチウムを人工的につくりだした。1938年アメリカのカリフォルニア大学を訪問していたとき、母国のファシスト政府によって大学職を奪われたためアメリカに定住。カリフォルニア大学のサイクロトロンを使って1940年にアスタチン、1941年に原爆の材料となったプルトニウム239を発見。1944年アメリカに帰化。第二次世界大戦中はロス・アラモスでマンハッタン計画に参加したが、戦後、カリフォルニア大学教授となった。1955年反陽子を発見し、1959年共同研究者のO・チェンバレンとともにノーベル物理学賞を受賞した。著書に『原子核素粒子』(1964)、『X線からクォークまで』(1980)などがある。

[小林武信 2018年8月21日]

『真田順平・三雲昂訳『原子核と素粒子』上下(1972、1973・吉岡書店)』『エミリオ・セグレ著、久保亮五・久保千鶴子訳『エンリコ・フェルミ伝――原子の火を点じた人』(1976・みすず書房)』『久保亮五・矢崎裕二訳『X線からクォークまで――20世紀の物理学者たち』(1982・みすず書房)』『エミリオ・セグレ著、久保亮五・矢崎裕二訳『古典物理学を創った人々――ガリレオからマクスウェルまで』(1992・みすず書房)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セグレ」の意味・わかりやすい解説

セグレ
Segrè, Emilio Gino

[生]1905.2.1. チボリ
[没]1989.4.22. カリフォルニア
イタリア生れのアメリカの物理学者。ローマ大学で学位取得後,ハンブルク,アムステルダムに留学,ローマ大学物理学助教授 (1932) 。この時期 E.フェルミの中性子研究グループに参加。パレルモ大学に移り物理学科主任教授 (36) 。 1938年ファシズム台頭とともにアメリカ,カリフォルニア大学へ逃れた。ロスアラモスの原子力研究所で原子爆弾開発を指揮 (43~46) 。 44年帰化。カリフォルニア大学教授 (46) 。イタリアでは遅い中性子の照射によって得られる放射性元素の研究 (35) ,人工元素として初めてのテクネチウムの発見 (37) などを行い,アメリカへ渡ってからアスタチンの発見 (40) ,プルトニウム 239の発見などがある。のちに高エネルギー物理学に転じ,55年 O.チェンバレンらとともに反陽子を発見し,59年ノーベル物理学賞受賞。ローマ,リンチェイ・アカデミー会員。アメリカ科学アカデミー会員。

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百科事典マイペディア 「セグレ」の意味・わかりやすい解説

セグレ

イタリア生れの米国の物理学者。1932年ローマ大学助教授となり,E.フェルミの指導下に中性子照射による元素変換を研究。1936年人工元素テクネチウムを発見。1938年ファシスタ政府により職を奪われ米国に移住,カリフォルニア大学に勤務し,共同でアスタチンプルトニウムを発見。1943年―1946年ロス・アラモス研究所で原爆開発に従事,1946年カリフォルニア大学教授となる。1955年O.チェンバレン反陽子の創出に成功,1959年,ともにノーベル物理学賞。

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