ダルガチ(読み)だるがち(英語表記)darughachi

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダルガチ」の意味・わかりやすい解説

ダルガチ
だるがち
darughachi

13~14世紀のモンゴル帝国元朝の官職名。漢籍では「監」「正印官」などと記される。「鎮圧する」「押す」というモンゴル語daru-に由来する名称であろう。中央アジア中国といった占領地の行政長官で、モンゴル人色目人(しきもくじん)が任ぜられた。

[松田孝一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダルガチ」の意味・わかりやすい解説

ダルガチ(達魯花赤)
ダルガチ
Darughachi

モンゴル帝国および中国元朝の地方行政機関の長。押印または弾圧を意味するモンゴル語動詞 daru-が語源チンギス・ハンの西征以来設置されたらしく,本来占領地行政のためにおかれた。官印を保管し,徴税などの財政戸口調査治安軍政駅伝運輸管掌。モンゴル人と若干の色目人だけが就任できた。中央アジア以西ではいまなお町村長,警察官,徴税人の呼称として残っているところがある。

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