チャムス(読み)ちゃむす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャムス」の意味・わかりやすい解説

チャムス
ちゃむす / 佳木斯

中国、黒竜江(こくりゅうこう)省東部の地級市。ジャムスともよぶ。旧称東興(とうこう)鎮。4市轄区、樺南(かなん)など3県を管轄し、同江(どうこう)、富錦(ふきん)など3県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。常住人口255万2097(2010)。松花江(しょうかこう)下流の右岸に位置し、減水期でも水深が大きく大汽船が接岸できる。付近はトウモロコシ、大豆、米、コウリャンテンサイ石炭、木材の産出が多く、「満州国」時代には第1回武装移民団が入植し、旧三江(さんこう)省の省都となった。

 現在、牡佳線(牡丹江(ぼたんこう)―チャムス)、綏佳線(綏化(すいか)―チャムス)両鉄道が交わり、その支線が双鴨山(そうおうざん)、鶴崗(かくこう)炭鉱へ通じる交通の要所である。航空路は、市街の北東部にあるチャムス東郊空港から北京(ペキン)、上海(シャンハイ)、青島(チンタオ)などへの国内線のほか、仁川(じんせん/インチョン)、ハバロフスクへの国際線もある。農・鉱山機械、製薬、化学、食品加工などの工業が盛ん。

[浅井辰郎・編集部 2017年7月19日]

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改訂新版 世界大百科事典 「チャムス」の意味・わかりやすい解説

チャムス (佳木斯)
Jiā mù sī

中国東北部,黒竜江省東部の工業都市。松花江下流部の南岸にある省直轄市。人口86万(2000)。牡佳(牡丹江~チャムス),哈佳(ハルビン~チャムス)両鉄道の交点で,鶴崗市,双鴨山市および富錦市経由前進鎮に至る支線を分岐。原名は東興鎮。明末は無人の荒野であったが,清初には赫哲(ホチエ)族が樺皮製の船とテントを携え漁猟に従事。のち満,漢両族による開墾が進み,それに伴い当地は商業が発展,1909年(宣統1)商家50余戸に達し,チャムスと呼ばれるようになった。25年人口9000余に達し,その後日本の対ソ作戦用軍事基地ならびに林業,石炭開発の拠点とされ,人口は33年2万人,41年11万人をこえ,1937年市制施行。第2次大戦後,一時合江省政府所在地とされた。解放後鉱山機械,農機具等の機械工業のほか,製紙,木材加工,製糖,紡織工業が急速に発展し,三江平原開発の拠点となっている。
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百科事典マイペディア 「チャムス」の意味・わかりやすい解説

チャムス

中国,黒竜江省中東部,松花江の右岸にある都市。漢字では佳木斯。牡佳(牡丹江〜チャムス),哈佳(ハルビン〜チャムス)鉄路の交会点にあり,鶴崗・双鴨山方面にも支線が延びている。水運も便利で付近の農産物を集散する。また鶴崗・双鴨山の炭田をひかえ,機械,製紙,製材の諸工業が盛ん。81万人(2014)。

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