チューバ(その他表記)tuba

翻訳|tuba

デジタル大辞泉 「チューバ」の意味・読み・例文・類語

チューバ(tuba)

金管楽器の一。カップ状の吹き口、3~5のバルブをもち、開口部は大きなアサガオ状となる。管弦楽吹奏楽などで低音部を受け持つ。テューバ

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精選版 日本国語大辞典 「チューバ」の意味・読み・例文・類語

チューバ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] tuba ) 金管楽器一つ。三~四個のバルブ装置と広い開口部をもち、音域は金管楽器中最も低く、やわらかく深い響きを出す。〔舶来語便覧(1912)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「チューバ」の意味・わかりやすい解説

チューバ
tuba

大型で低音の金管楽器の一種。その名は古代ローマの軍楽器トゥバから借りているが,19世紀中葉以来の歴史しかない。朝顔状の大きな開口がついた太い円錐管を,扱いやすく巻いて,変音用の弁を3~6個取り付けてあり,管形からはビューグル(元来は角笛の一種。牧畜狩猟,警備などの信号用)系統の楽器といえる。典型的な巻き方では,輪廓が長円形を呈し,楽器をかまえると開口が上を向く。弁の構造にはピストンとロータリーの2方式がある。楽器の基調も何通りかあり,音楽の分野により,また国によってどれを採るか傾向が分かれるが,変ロ調が最も多く,ハ調と変ホ調がこれに次いでいる。管の巻き方を円環状とし,奏者が左肩からたすき掛けにかつぐようにしたヘリコンheliconとか,その開口部を派手に大きく作り,向きを変えられるように作ったスーザフォーンsousaphoneなどもある。管を思いきり太く,開口を前向きに大きく作ったリコーディング・ベースrecording bassは,レコード録音が初歩段階にあった時代に威力を発揮した低音楽器として,今も語り草になっている。
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音楽用語ダス 「チューバ」の解説

チューバ(バス)[tuba(bass)]

ユーフォニウムと同じく、バルブ機構付きの大型金管楽器が考案される過程で完成した楽器で、19世紀後半にオーケストラに定席を占めるようになった。低音を奏しやすいようにきわめて内径の大きな円錐管で作られる。“チューバ”とは大きさと音域の異なる数種類の楽器の総称で、チューバ奏者は与えられた音楽的要求に応じて楽器を使い分ける。オーケストラでは高音と低音のどちらも扱えるF管を用いるのが標準的だが、使用楽器にかかわらず楽譜はヘ音記号による実音記譜である。吹奏楽ではこれより大型のEb管・Bb管・C管が用いられる。オーケストラでは金管セクションの最低音として、特に3本のトロンボーンと組み合わせて用いられる。音色はきわめて幅広く重厚で、オーケストラのトゥッティに厚みを加えるだけでなく、広々とした表情的な低音旋律や、ドラマチックな強奏にも適している。また、意外なほど運動能力は高く、用例は少ないが速いパッセージや跳躍にも効果的に用い得る。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チューバ」の意味・わかりやすい解説

チューバ
ちゅーば
tuba

リップ・リード楽器(唇を発音源とする気鳴楽器)の名。トゥーバともいい、古代ローマの楽器トゥバに由来するが、今日では、円錐(えんすい)管を基本として変音弁をもつ各種の低音金管楽器の総称となっている。一般には、吹奏時にベル(朝顔形開口)が上を向くようにつくられ、マウスピースは深いカップ形が主流である。F、E♭、C、B♭の各調につくられており、F管、E♭管は吹奏楽でいう中バスと同じで、さらに低いB♭管、C管は大バスにあたる。これより1オクターブ高いB♭管やC管、つまりユーフォニウムや小バスに相当するものは、フランスの管弦楽でよく用いられる。変音弁の数は3ないし6で、ロータリー式、ピストン式ともによく用いられる。変形としてヘリコン、スーザフォンなどのように、管が奏者の身体を取り巻くようにつくり、ベルを前方に向けたものもある。

[卜田隆嗣]


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百科事典マイペディア 「チューバ」の意味・わかりやすい解説

チューバ

低音部を受け持つ金管楽器の総称。テューバともいう。バルブ操作で約3オクターブの音域をもち,低音部記号の声部より1オクターブ低い音が出せる。管弦楽では主に大編成の作品で用いられる。音域や形態には数種あり,スーザフォーンもその一種。なお,作曲家R.ワーグナーが考案したワーグナーチューバはホルンに近い。→サクソルン

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チューバ」の意味・わかりやすい解説

チューバ
tuba

楽器の一種。 (1) 古代ローマの直管トランペット。 (2) 19世紀に現れた低音域の金管楽器。バリトン,バス,コントラバスの3種が普及している。

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世界大百科事典(旧版)内のチューバの言及

【デリス】より

…インド東部からマレーシア地域,ニューギニアまで広く分布する。トバの名はマレー系のデリス属に対する名称tubaから生じたものである。タチトバD.malaccensis Prainはマレー半島原産で,トバに似て茎はつる性であるが,直立する。…

【角笛】より

…19世紀には弁やキーなどの付加により演奏能力の向上が図られた。サクソルン,チューバなどの新楽器も,ビューグル改良の試みを徹底的に推し進めた結果の産物と見ることもできる。なお今日では,複雑な転調や変化音も自在にこなす本格的設計のビューグルと,前述の信号ラッパとの中間ともいえそうな,簡易な設計のビューグルも作られており,パレード等のビューグル・バンドはこれを用いることが多い。…

※「チューバ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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