ツワナ族(読み)ツワナぞく(英語表記)Tswana

翻訳|Tswana

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツワナ族」の意味・わかりやすい解説

ツワナ族
ツワナぞく
Tswana

ボツワナ族 Botswana,ベチュアナ族 Bechuanaともいう。南アフリカ北部とボツワナに住むバンツー語系民族。人口約 250万と推定される。数度に分れて南進してきたソト諸族一員である。ロロング,クガトラなどの数集団に分れ,さらに1人の首長に支配され,創始者などの名を取って呼ばれる政治的に独立した 50以上の地域集団に分れている。牧畜農耕に従事し,主作物はカフィールやとうもろこしなどである。家畜は牛,やぎ,羊などであるが,ヨーロッパとの接触以後,馬やろばも導入されている。また最近では男性の多くがヨーロッパ人の農場鉱山に働きに出ている。一方,かなりの外来人口を含んでおり,ングワトでは全体の大半を占めるにいたった。民族集団内では貴族平民,外来者の明確な地位区分があった。伝統的には集団成員全員あるいはその核集団で1つの大きな村を形成し,村はさらに政治的な基本単位である区に分れていた。区は父系的につながりのある1つあるいは複数の家族集団から成り,1人の世襲的な長がいた。年齢集団も発達しており,かつては大きな軍事的機能があったが,今日でも大規模な事業に大きな役割を果している。歴史を通じて特徴的にみられる過程に,地域集団の分裂増殖がある。

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