執政政府ともいう。フランスの総裁政府(1795~99)に次ぐ5年間の政府(1799~1804)。1799年11月9日(ブリュメール〈霧月〉18日)、ナポレオンを中心にクーデターが起こされ、反対議員を圧倒して、ナポレオン、シエイエス、デュコスPierre Roger Ducos(1774―1816)を統領とする臨時政府を形成した。臨時政府は同年12月に、共和暦8年の憲法により正式に承認された。政府の指導力は革命以来の老練なシエイエスにあるとみられたが、実権はたちまちナポレオンに握られ、軍事独裁機関の様相を帯びる。統領政府の基礎は、フランス革命の創出したブルジョア体制と自営農民層の活力に置かれた。政府では第一統領が行政、統帥、外交および宣戦、講和権を執行する。ナポレオンがこれにあたった。第二統領にはカンバセレスJean-Jacques Cambacérès(1753―1824)、第三統領にはルブランCharles-François Lebrun(1739―1824)が就任。任期はともに10年であった。立法部は元老院、立法院、参議院、法制審議院からなり、選挙は間接選挙で、最後に5000人が名士名簿に載せられ、そのなかから議員と官吏が選出される仕組みであった。1802年8月ナポレオンは終身統領に推され、2年後帝位について帝制を樹立する。
[金澤 誠]
総裁政府が,1799年ブリュメール18日のナポレオンのクーデタで倒れてから,1804年5月に彼が皇帝となって,第一帝政になるまでのフランスの政体。政治の大綱は1799年12月(共和暦8年)の憲法で定められ,立法機関は4院制で権限は小さく,行政権は3人の統領が行使するが,実権はすべて第一統領ナポレオンの手中にあった。1802年に彼を終身統領とする憲法改正が行われて独裁が強化された。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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