デジタル大辞泉 「居る」の意味・読み・例文・類語
いる〔ゐる〕【居る】
1 人や動物が、ある場所に存在する。「ペンギンは北極にはいない」「そこにいるのは誰ですか」
2 住む。滞在する。「ロンドンにいる兄からの便り」
3 移動するのをやめて、そこにとどまる。
㋐静止している。「動かないで、そこにいるんですよ」
㋑すわる。しゃがむ。
「立ちてゐて見れどもあやし」〈万・四〇〇三〉
㋒鳥が、とまる。
「後徳大寺の
㋓雲や霞などがかかり、じっととどまる。
「
㋔船が浅瀬につかえて動かないでいる。
「みさごゐる
4 草や氷などが生じる。できる。
「池などある所も
「つららゐて守る岩間の関なればよをへてかたくなりまさるかな」〈堀河百首〉
5 ある地位につく。
「
6 (「腹ゐる」の形で)怒りが治まる。「腹立つ」に対する語。
「
7 (補助動詞)動詞連用形に接続助詞「て」が付いた形に付く。
㋐動作・状態が続いて、現在に至ることを表す。「猫が鳴いている」「花が咲いている」
㋑動作・作用の結果が、続いて現在もあることを表す。「枝が枯れている」「窓があいている」
㋒現在の状態を表す。「彼の気持ちはもう変わっている」
[類語](1)
お・る〔をる〕【▽居る】
1
㋐人が存在する。そこにいる。「海外に何年―・られましたか」
㋑「いる」の古風な、または尊大な言い方。また、「いる」に比べて方言的な響きを帯びる。「君はそこに―・ったのか」「都会にはセミも―・らんようになった」
2 (「おります」の形で、自分や自分の側の者についていう)「いる」の丁寧な言い方。「五時までは会社に―・ります」
3 動詞の連用形に付いて用いる。
㋐(相手を軽蔑する気持ちを込めて)…やがる。「あんなやつに負け―・って」
㋑自分を卑下する気持ちを表す。
「私も隣の京屋にゐ―・ります」〈伎・夕霧七年忌〉
4 (「立つ」に対して)すわっている。
「しきたへの床の
5 (補助動詞)動詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形に付いて用いる。
㋐「…ている」の古風な、または尊大な言い方。「そこに控えて―・れ」
㋑(「…ております」の形で)「…ている」の丁寧な言い方。「ただ今、外出して―・ります」
[補説](1)助動詞「れる」の付いた「おられる」「…ておられる」の形で尊敬表現に用いられる。(2)もとはラ変活用。室町時代以後、四段活用に変化。
[可能]おれる
[類語]居る・居合わせる・控える・存在(尊敬)いらっしゃる・おられる・おいでになる・おわす・おわします・まします