ディエン・ビエン・フー(読み)でぃえんびえんふー(英語表記)Dien Bien Phu

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ディエン・ビエン・フー」の意味・わかりやすい解説

ディエン・ビエン・フー
でぃえんびえんふー
Dien Bien Phu

ベトナム北西部、ラオスとの国境に接した、ライチャウ省(人口58万9000。1999)南部にある都市。周辺を2000メートル級の山に囲まれた標高460メートルの盆地に位置する。人口約4万6000。古くから交通・軍事上の要地で、とくにメオやタイなどの山地民族との関係が深かった。ボー・グエン・ザップ将軍の率いるベトナム軍とド・カストリ将軍の率いるフランス軍がこの地で対決し、1954年3~5月にわたる55日間の戦いののち、ベトナム軍が勝利を収めた。この戦いの結果、同年7月にジュネーブ協定が締結され、フランスのインドシナ支配の終焉(しゅうえん)をもたらした。市内には戦勝記念博物館がある。戦後は、社会主義農業の先端をいく国営農場が設置され、軍人が入植し、西北少数民族自治区に組み入れられた。この地方に多いメオ人は、かつては大規模にケシを栽培していたが、今日では豆類の生産も行っている。

[菊池一雅]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ディエン・ビエン・フー」の意味・わかりやすい解説

ディエンビエンフー
Dien Bien Phu

ベトナム北西部,ライチャウ省南西部の町。首都ハノイの西約 300km,山岳と密林に囲まれたムオンタイン盆地にあり,ラオスとの国境に近い。第1次インドシナ戦争の末期ディエンビエンフーの戦い舞台となり有名になった。住民にはタイ族が多い。砕石を敷いた1本の道に沿って茅ぶきの家が並ぶ程度の小さな町であるが,市場が開かれる日には周辺の山地から少数民族が集り,にぎわいをみせる。ハノイとの間に空路が開けている。

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