ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デルフト陶器」の意味・わかりやすい解説
デルフト陶器
デルフトとうき
delftware
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オランダのデルフトを中心に焼かれた陶器。16世紀の中ごろイタリアのマジョリカ陶器の技法がオランダに伝えられたのが始まりで、17世紀中ごろ東洋磁器の装飾や器形を模倣して大いなる成功をみ、以後オランダ各地の窯場で焼かれた陶器もすべてデルフト陶器とよばれるようになった。初期のモチーフはマジョリカ風のものが多いが、17世紀以降は極東の磁器を模したコバルト一色の絵付けが優勢となった。デルフト陶器は技法上軟質の錫釉(すずゆう)陶器で、アルプス以北の各国で焼かれたファイアンスとほぼ同質で、デルフト・ファイアンスの別称もある。またイギリスでは初期の錫釉陶器をイングリッシュ・デルフト陶器とよんでいるが、これはイギリスで焼かれたオランダ陶器の意である。
[前田正明]
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