ニコチン中毒(読み)ニコチンチュウドク

デジタル大辞泉 「ニコチン中毒」の意味・読み・例文・類語

ニコチン‐ちゅうどく【ニコチン中毒】

ニコチンによる中毒。過度の喫煙農薬などのニコチン剤吸入によって起こる。急性では吐き気発汗頭痛慢性では気管支炎不整脈弱視などの症状が現れる。
俗に、タバコが好きでやめられないこと。

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精選版 日本国語大辞典 「ニコチン中毒」の意味・読み・例文・類語

ニコチン‐ちゅうどく【ニコチン中毒】

  1. 〘 名詞 〙 ニコチンによる中毒。主として過度の喫煙によるが、ニコチン剤の取扱い不注意やタバコ工場の粉塵吸入によっても起こる。急性では、はき気、発汗、頭痛、虚脱など、慢性では、気管支炎、不整脈、ふるえ、不眠視覚障害などの症状が現われる。ニコ中。
    1. [初出の実例]「はじめてニコチン中毒の発作を見たのだった」(出典:ちぎれ雲(1947‐56)〈幸田文〉二百十日)

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百科事典マイペディア 「ニコチン中毒」の意味・わかりやすい解説

ニコチン中毒【ニコチンちゅうどく】

タバコに含まれるニコチン吸引による中毒。ふつう過度の喫煙により起こる。ニコチンは初め交感および副交感神経節を刺激,ついで麻痺させる作用があり,急性中毒では悪心(おしん),流涎(りゅうぜん),嘔吐(おうと),頭痛,虚脱,痙攣(けいれん)などを呈する。慢性中毒は喫煙常習者によくみられ,消化不良,慢性気管支炎,神経過敏,不整脈などを呈する。
→関連項目タバコ(煙草)ニコチン・パッチ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニコチン中毒」の意味・わかりやすい解説

ニコチン中毒
ニコチンちゅうどく
nicotinism

おもにたばこに含まれるニコチンによって起る中毒。ニコチンは自律神経節を侵し,自律神経をまず興奮させ,次いで麻痺させる。軽症の急性中毒は,初めて喫煙したときによくみられ,重症のものは農薬用殺虫ニコチン剤の誤飲などでみられる。めまい,悪心,嘔吐,頭痛,けいれん,呼吸困難などが起り,心臓麻痺で死ぬこともある。慢性中毒は,常習喫煙あるいは職業上の粉塵吸引などで発生し,咽頭,胃などに対する局所刺激のほか,心臓拍動の亢進,結滞,不眠,過敏など,全身の中毒症状が起る。喫煙では普通,たばこに含まれているニコチン量の4~5%が吸収されるといわれる。致死量は1 mg/kg といわれる。

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世界大百科事典(旧版)内のニコチン中毒の言及

【ニコチン】より

…なお,臨床では使用しないが,殺虫薬として用いられる。
[ニコチン中毒]
 ニコチンは粘膜からよく吸収され,強い急性中毒をおこすが,このような急性中毒には殺虫薬の誤用による例が多い。吐き気,流涎(りゆうぜん),下痢のほか徐脈後頻脈をおこし,血圧は上昇後下降し,呼吸麻痺をおこす。…

※「ニコチン中毒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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