デジタル大辞泉
「ネオダーウィニズム」の意味・読み・例文・類語
ネオ‐ダーウィニズム(neo-Darwinism)
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精選版 日本国語大辞典
「ネオダーウィニズム」の意味・読み・例文・類語
ネオ‐ダーウィニズム
- 〘 名詞 〙 ( [英語] neo-Darwinism ) 進化学説の一つ。ダーウィンの学説の中から、自然淘汰の原理だけを主張し、変異とその遺伝に関する説を根本的に改め、獲得形質の遺伝を否定した説。ドイツの動物学者ワイスマンが主張。
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ネオダーウィニズム
Neo-Darwinism
生物の偶発的な遺伝的変異に自然淘汰が作用して進化が起るという学説。 A.ワイスマンが自説をネオダーウィニズムと命名したため,ワイスマン説ともいう。ダーウィン学説のうち生存競争の原理を強調し,また変異のうち,進化で問題になる遺伝的な変異は完全に無方向で,特に適応的に方向づけられていない突然変異であり,獲得形質は遺伝しないと強調した。これらの考えは,それ自体は既知の事実とすべて一致するが,機械論的な割切り方のため,スケールの大きい進化の全事象をカバーできるかどうか,また適応の極度の重視により,すべての精妙な器官の構造なども一歩ごとの無方向の変異のなかからの自然淘汰が無数に積重なったものであると,あらかじめ説明してしまうことは問題でないのかなど,妥当らしくみえる批判を生んでいる。しかし現代の進化論で,依然として基本的には正しい唯一の考え方とされている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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百科事典マイペディア
「ネオダーウィニズム」の意味・わかりやすい解説
ネオ・ダーウィニズム
新ダーウィン主義とも。ダーウィンの進化論をメンデル以後の遺伝学の成果をもとにして単純化したもので,進化における自然淘汰の万能を主張。A.ワイスマンが提唱。彼は生物の体を生殖質と体質とに分け,生殖質の変異のみが遺伝的であり,体質の変化は生殖質に及ばないとして,獲得形質の遺伝を否定した。しばしば〈総合説〉と同一視されるが,総合説は集団遺伝学を基礎にさまざまな分野の生物学の成果を総合したもので,個体レベルでの淘汰のみを考えるネオ・ダーウィニズムとは異なる。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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世界大百科事典(旧版)内のネオダーウィニズムの言及
【進化論】より
…ラマルク説,定向進化説,隔離説などである。19世紀末年に近づくころより,A.ワイスマンによるネオ・ダーウィニズムが普及し,自然淘汰の万能が主張されたが,それは生殖による遺伝質の混合を淘汰の素材であるとし,遺伝質そのものは不変的であるとするものであった。そして前世紀末よりの遺伝学の発展も,生物の性質の不変性の面を強く印象づけ,そのため20世紀初年には進化の不可知論的時代とよばれる様相もあらわれた。…
【生物学】より
…これについては過去1世紀,ダーウィンを源流とする理論が支配的であった。《種の起原》におけるダーウィン説は,遺伝の理論などが不明であっただけに,かえって幅の広い含みをもっていたが,20世紀に入ってからは,突然変異や集団遺伝学(R.A.フィッシャー《自然淘汰の数学的理論》1930)によって整理,補強されたネオ・ダーウィニズム,すなわち総合学説が主流を占め続けた。[分子生物学]の時代になって,タンパク質のアミノ酸配列および核酸のヌクレオチド配列を比較するいわゆる分子進化の研究も在来のデータを補って,点突然変異・淘汰の理論をいっそう補強した。…
【ダーウィニズム】より
…ダーウィンは進化を緩やかで連続的なものと見ており,そうした漸進的進化観をさすのである。 ところで1870年代よりA.ワイスマンは遺伝についてのダーウィンの見解を修正して獲得形質の遺伝を絶対的に否定し,その観念をもとに自然淘汰説を一本化したネオ・ダーウィニズムneo‐Darwinism(新ダーウィン説)を唱えた。かれにより〈自然淘汰の万能〉の語も用いられた。…
※「ネオダーウィニズム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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