ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノストラダムス」の意味・わかりやすい解説
ノストラダムス
Nostradamus
[没]1566.7.2. サロン・ド・プロバンス
フランスの占星術師,医師,また史上最も広く読まれた予言書の著者。ノストラダムスの名はラテン語によるもので,フランス語名はミシェル・ド・ノートルダム Michel de Nostredame。 1521年から9年間に及ぶ放浪生活と薬草研究ののち,29年モンペリエ大学医学部に入学した。 32年末に博士号を取得後,33年に医師としてアジャンに移住。やがて妻子を疫病で失うと再び長い放浪生活に入るが,47年サロン・ド・プロバンスで再婚,医師として開業した。その間,46年にはエクサンプロバンス,翌年にはリヨンで,ペスト治療の斬新な処置と薬品の処方で名声を上げている。 55年,『予言集』 Les Propheties de M. Michel Nostradamus を刊行。 100編の四行詩を集めた「詩百編」 (サンチュリ centurie) 3巻と第4巻の一部 53編とを合せた4巻 353編の予言詩から成る。同年または翌年,フランス国王アンリ2世の王妃カトリーヌ・ド・メディシスによって宮廷に招かれ,王子たちの運命を占った。 58年には新しい予言を加えた『予言集』新版を刊行し,64年新国王シャルル9世の侍医に任命される。フランス語のほかスペイン語,ラテン語,ヘブライ語が混在する謎めいた文体と内容ゆえに,ノストラダムスの予言はたえず大きな論争を生み出してきた。 18世紀のフランス革命の一部詳細をはじめとして,予言のうちのいくつかは後世の史実を言いあてていたとも考えられている。
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