バラバ(その他表記)Barabbas

翻訳|Barabbas

改訂新版 世界大百科事典 「バラバ」の意味・わかりやすい解説

バラバ
Barabbas

新約聖書中の人物。その名は〈父abbasの子bar〉の意。《マルコによる福音書》15章7節以下では,ユダヤ人暴徒囚人として登場し,ユダヤ教過越の祭に際して,民衆要求に応じた総督ピラトイエスの代わりに釈放する人物。この種の恩赦は他に事例がないが,もし史的事実であるとしても,元来イエスの裁判とは無関係な事件であって,福音書の記述はイエスの刑死の責任をユダヤ人に負わそうとする作為に基づくと思われる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バラバ」の意味・わかりやすい解説

バラバ
ばらば
Bar-abba アラム語
Barabbas ギリシア語

生没年不詳。イエスと同時期に、おそらくローマに対する反抗運動をしたために、エルサレムでローマ総督ピラトによって捕らえられていたユダヤ人。『新約聖書』は、当時ローマ総督は過越(すぎこし)祭に際しユダヤ人の指名する囚人1人に恩赦を与える習慣であったが、ピラトが民衆にイエスかバラバか、いずれかを選ぶよう促したところ、民衆はバラバの釈放を求め、イエスを十字架につけよと叫んだ、と伝えている。『新約聖書』以外には記録はない。

佐竹 明]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バラバ」の意味・わかりやすい解説

バラバ
Barabbas

新約聖書福音書中の人物。総督ピラトが過越祭 (すぎこしのまつり) の特赦に際し,祭司長や群衆の要求によってイエスの代りに許した殺人者,暴動の指導者。

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