パラ鶏冠石(読み)ぱらけいかんせき(その他表記)pararealgar

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パラ鶏冠石」の意味・わかりやすい解説

パラ鶏冠石
ぱらけいかんせき
pararealgar

硫化ヒ素鉱物鶏冠石とは同質異像関係にある。これまで確認されたものはすべて粉末状。鶏冠石の分解鉱物として産する。光線による分解もありうる。日本では群馬県下仁田(しもにた)町西牧(さいもく)鉱山閉山)産の鶏冠石の一部がこれに相当する。

 共存鉱物は鶏冠石、輝安鉱(きあんこう)、安四面銅鉱(あんしめんどうこう)、自然砒(ひ)、自然硫黄(いおう)など。同定外観。鶏冠石の赤色が黄色味を帯び、粉末化したもの。透明度が高まる感じになる。細粉にすると色がいっそう黄色くなる。命名は鶏冠石との同質異像関係による。

加藤 昭]


パラ鶏冠石(データノート)
ぱらけいかんせきでーたのーと

パラ鶏冠石
 英名    pararealgar
 化学式   AsS
 少量成分  報告無
 結晶系   単斜
 硬度    1~1.5
 比重    3.50
 色     黄橙~橙褐
 光沢    ガラス樹脂
 条痕    鮮黄
 劈開    未記載
       (「劈開」の項目を参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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