ヒンシェルウッド(読み)ひんしぇるうっど(英語表記)Sir Cyril Norman Hinshelwood

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒンシェルウッド」の意味・わかりやすい解説

ヒンシェルウッド
ひんしぇるうっど
Sir Cyril Norman Hinshelwood
(1897―1967)

イギリスの物理化学者。オックスフォード大学に学び、そこで学位を得た。1937年よりオックスフォード大学教授。1929年にロイヤル・ソサイエティー会員に選ばれ、1955年から1960年まで会長を務めた。化学反応速度論の分野で多くの研究業績がある。不均一系反応におけるラングミュア‐ヒンシェルウッド機構提唱(1926)、単分子反応機構に関するリンデマン説の改良(1927)、および分枝連鎖を含む連鎖反応に関する研究が著名である。そのほかに、微生物細胞の化学反応速度論の研究が知られている。1956年「気相系の化学反応速度論、とくに連鎖反応に関する研究」でソ連セミョーノフとともにノーベル化学賞を受けた。

[菅 耕作

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化学辞典 第2版 「ヒンシェルウッド」の解説

ヒンシェルウッド
ヒンシェルウッド
Hinshelwood, Cyril Norman

イギリスの物理化学者.オックスフォード大学卒業後,1924年同大学で学位を取得.1937年同大学教授となる.1964年の引退後,ロンドンのインペリアル・カレッジのsenior research fellowとなった.1920~1930年代に,多数の気相単分子反応,二分子反応不均一系反応,H2-O2の連鎖的結合反応などを研究した.気相不均一系反応に関し,ラングミュア-ヒンシェルウッド機構がある.1956年N. Semenoff(セミョーノフ)とともにノーベル化学賞を受賞細菌の反応論的な研究も行い,細菌の薬に対する耐性を発見した.1955~1960年ロイヤル・ソサエティの会長を務めた.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒンシェルウッド」の意味・わかりやすい解説

ヒンシェルウッド
Hinshelwood, Sir Cyril Norman

[生]1897.6.19. ロンドン
[没]1967.10.9. ロンドン
イギリスの物理化学者。オックスフォード大学に学び,同大学教授 (1937) 。 1930年頃水の形成に関する研究を開始。水素酸素とが連鎖反応を起して水を形成する,その反応機構と反応速度を明らかにした。また,抗生物質や化学治療薬に対する細菌の抵抗力に関する研究にも業績がある。 48年ナイトの称号を贈られ,56年 N.セミョーノフとともにノーベル化学賞を受賞した。

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百科事典マイペディア 「ヒンシェルウッド」の意味・わかりやすい解説

ヒンシェルウッド

英国の物理化学者。オックスフォード大学に学び,1937年同大学教授。単分子反応の理論,反応速度,特に連鎖反応に関する研究で著名。ほかに生体反応の機構についての研究もある。1956年N.N.セミョーノフとともにノーベル化学賞。

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