日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピトケアン島」の意味・わかりやすい解説
ピトケアン島
ぴとけあんとう
Pitcairn
南太平洋、ポリネシア東部、タヒチ島とイースター島との中間にあるイギリス領の孤島で、火山島。東西3キロメートル、南北1.5キロメートル、面積4.5平方キロメートル。島の最高点は31メートル。1790年、バウンティ号の反乱兵が住み着き、タヒチからの移住者とともに新しい村づくりを始めた。しかしそれは、1808年アメリカの捕鯨船が訪れるまで世に知られることはなかった。中心地アダムズ・タウンAdams Townはバウンティ号最後の生存者の名にちなんだもの。1856年には過剰人口がノーフォーク島に移り住んだが、近年の人口は100人を割っており、91(1971)、74(1977)、64(1979)、53(1980)と減少、1984年には57となっている。最大の収入は美しい切手の売上げによる。コプラ、バナナを産するほか、島民は周辺の無人島デュシーDucie、ヘンダーソンHenderson、オエノOeno三島へ、ココヤシの収穫に通う。良港がないため定期航路はない。
[大島襄二]