日本大百科全書(ニッポニカ) 「フウセントウワタ」の意味・わかりやすい解説
フウセントウワタ
ふうせんとうわた / 風船唐綿
[学] Gomphocarpus physocarpus Mey.
Gomphocarpus fruticosus R.Br.
ガガイモ科(APG分類:キョウチクトウ科)の常緑亜低木であるが、園芸上では一年草として扱う。熱帯から南アフリカ原産。茎は高さ0.6~1メートル。葉は対生し、長披針(ちょうひしん)形で、長さ10センチメートル、幅1センチメートル、無毛で光沢がある。7~9月、茎の先端近くの葉腋(ようえき)から出た花柄の先に散形花序をつくり、乳白色で5弁の小花を10~15個つける。晩秋のころ、長さ5~10センチメートルで風船状の蒴果(さくか)が1、2個できる。果実は熟すとはぜて、白絹状の冠毛をもった黒褐色の種子が出る。名は、この蒴果や果実の形態に由来する。2~3月、温室かフレーム内に播種(はしゅ)し、5月に露地へ20センチメートル×30センチメートルに1本の割合で植え出す。10月ころ、切り取っていけ花の材料にされる。
[植村猶行 2021年6月21日]