ガソリン機関ともいう。ガソリンを燃料とする火花点火式の内燃機関。ガソリンと空気の混合気をシリンダー内で圧縮し,電気火花で点火燃焼させてピストンに往復運動を行わせる往復動型が主として用いられているが,断面が繭型のハウジングの中をロータリーピストンが遊星運動するロータリーエンジンも実用化されている。このほか,混合気でなく空気のみを吸い込み,ガソリンをシリンダー内に噴射する方式も試みられている。
ガソリンエンジンの先駆となったのは,燃料としてガスを用いるガス機関であり,1860年ころルノアールJean Joseph Étienne Lenoir(1822-1900)によってつくられた。N.A.オットーも1876年4サイクル火花点火式のガス機関を製作しているが,毎分回転数が200回程度で,馬力当りの重量も数百kgと重いものであり,燃料もガスであるため定置用に限られていた。83年G.ダイムラーは高速化により軽量化した小型4サイクルガソリンエンジンをつくり,85年二輪車を,86年四輪車を走らせた。混合気の点火は熱した管によって行い,また気化器にはガソリン液柱の底から空気を通して気化する方式を採用していたが,このダイムラーのガソリンエンジンが実用的なガソリンエンジンの最初といえる。一方,C.ベンツも86年に電気火花点火式の4サイクルガソリンエンジンをつくり,三輪車を走らせた。このようにガソリンエンジンは,まず自動車用エンジンとして発明,発達し,高速化・高出力化,耐久性・信頼性の向上などがはかられた。近年,自動車の急増による排気公害に対し,浄化技術が,またガソリン価格の高騰により,燃料消費率の改善や代替燃料技術の開発などが課題となっている。一方,1903年ライト兄弟がガソリンエンジン駆動の飛行機で初飛行に成功して以来,ガソリンエンジンは航空エンジンとしても約半世紀の間王座を保持し,この間シリンダー(気筒)数の増加,過給,四エチル鉛使用による圧縮比の増大などにより大出力化が推し進められ,空冷28気筒,3500馬力のものも出現した。しかし,航空エンジンとしては第2次世界大戦末期にターボジェットエンジンが実用化されるに及んで,急速にその王座を退いた。
→航空エンジン
ここでは往復動型について述べ,〈ロータリーエンジン〉についてはその項目を参照されたい。シリンダーにピストンをはめ,他端を閉じてできる容器に可燃混合気を入れて火花で点火すると,混合気は燃焼し燃料の化学エネルギーは熱エネルギーQ1に変わり,高温,高圧となった燃焼ガスは膨張し,ピストンを押して1回の仕事をする。これがガソリンエンジンの原理であるが,この動作を繰り返して行うためには容器から燃焼ガスを排出させ,新しい混合気をつめること,すなわちガス交換を行う必要がある。燃焼ガスの排出に伴って,それに含まれていた熱エネルギーQ2は外界に捨てられるので,結局熱エネルギーの差Q1-Q2が仕事に変換されることになる。ただし,上述の燃焼容器は高温になるので冷却が必要であり,そのための熱損失が生じ,またエンジンの運転に伴って摩擦損失も生ずる。したがってQ1-Q2からさらにこれらの損失を差し引いた残りが正味の仕事となる。なお,燃焼させる前に混合気を圧縮するとQ2が減るため,得られる仕事が増加し,熱効率も向上する。
混合気の燃焼は火炎面が混合気内を伝播(でんぱ)することによって行われるが,その結果として生ずる出力や排気ガスは空燃比(混合気中の空気と燃料との質量比)および点火時期に大きく左右される。また圧縮比をあげすぎると火炎伝播の途中で未燃焼ガスが自発火し,急激な圧力上昇が起こり,いわゆるノッキングが生じて燃焼室壁の過熱損傷などを招く。これを防ぐため自発火しにくい,オクタン価の高いガソリンが用いられるが,限度がある。
内面が滑らかなシリンダー内にピストンがはまっており,上部はシリンダーヘッドでしっかりとふたがしてある。ピストンはコネクティングロッドによりクランクピンに連結され,ピストンの往復運動がクランク軸の回転運動に変換される。クランク軸はシリンダーブロックに固定された主軸受により支えられており,その回転を滑らかにするため,はずみ車(フライホイール)が取り付けられている。またピストンの往復運動やクランクピンなどの回転運動により生ずる慣性力および慣性モーメントをできるだけよくつり合わせるためつり合いおもりがついている。ピストンには,その周囲に3~4本の溝があり,1ヵ所が切れた,ばね作用のあるピストンリングがそれぞれはまっていて,気密を保ち,かつ滑り面の潤滑をつかさどっている。シリンダーヘッドには点火プラグのほかに,4サイクルエンジンでは吸・排気ポートおよび弁があり,弁はクランク軸により,カム軸,タペット,プッシュロッド,ロッカーアームなどを介して開閉される。シリンダーブロック下部はオイルパンにより閉ざされており,ここから潤滑油はオイルポンプにより各しゅう動部に送られる。シリンダーヘッドおよびシリンダーは,過熱を防ぐため冷却水または空気で冷却されるようになっている。
空気はエアクリーナーを通り気化器により混合気となり,吸気マニホールドにより各シリンダーに分配される。気化器(キャブレター)は図1のように主としてベンチュリーおよびフロート室よりなり,ベンチュリーを通る空気流量に応じて生ずる負圧によりフロート室から主系統または低速系統の流路を経て,ガソリンが吸い出される。これらの通路にはそれぞれ燃料および空気の流量を規制するためのくびれ(ジェットと称する)が設けられ,また気化器には空気流量を加減し,出力を調節するための絞り弁と,始動時に混合気を濃くするために吸入空気を絞るチョーク弁が設けられている。このほか,急加速時に燃料を加速ポンプで噴射する加速装置や,全負荷時に燃料流量を増加させるパワー装置などが付加されている。
混合気の点火は通常図2のような点火装置により行われる。すなわち蓄電池および点火コイルの一次側を流れる電流がブレーカーにより断たれると,点火コイルの二次側に高電圧が発生する。この電圧はディストリビューターにより一定の順序で各シリンダーの点火プラグに分配され,プラグの間隙(かんげき)に放電火花を飛ばし,混合気を点火する。接点には一次電流が断たれるときに生ずるアークを消すためコンデンサーが並列に接続されている。ブレーカーのカムおよびローターは同一の回転軸に取り付けられており,この軸は通常吸・排気弁駆動用カム軸により駆動される。さらに自動車では通常エンジンの回転速度および負荷に応じて点火時期を調節するための進角装置などが設けられている。上述の接点部分はアークにより劣化し,またカムフォロアーも摩耗するが,近年これらを緩和あるいは解消した接点式や無接点式トランジスター点火装置が用いられている。このほか蓄電池の代りに永久磁石式交流発電機を用いたマグネット点火装置もオートバイなどに利用されている。
ピストンが往復する際の最上位置,最下位置をそれぞれ上死点,下死点,その距離およびピストンの運動を行程と呼び,また一連の吸気・圧縮・膨張・排気過程をサイクルという。一つのサイクルを四つの行程により行うエンジンを4サイクルエンジン,また独立した吸・排気行程をもたず,ガス交換を圧縮・膨張行程中の下死点近くで行ってしまうものを2サイクルエンジンと呼ぶ。
4サイクルガソリンエンジンの作動順序を図3-aに示したが,吸・排気弁はクランク軸の回転速度の1/2で回転するカム軸により開閉される。吸気行程では吸気弁が開き,混合気がシリンダー内に吸い込まれる。圧縮行程では吸気弁も閉ざされ,混合気は圧縮され,上死点少し前で点火され,燃焼する。膨張行程で燃焼ガスは仕事をし,排気行程で排気弁が開き,大気に放出される。図3-bは2サイクルガソリンエンジンの作動順序である。シリンダー壁には排気ポートと吸気ポートがあり,膨張行程の終りでまず排気ポートが開き燃焼ガスの一部が排出され,さらにピストンが下がって吸気ポートも開くと新気が進入し残りの燃焼ガスを追い出す。この過程を掃気と呼び,これができるだけ完全にまた効率よく行われることが重要である。掃気するため新気を圧縮する必要があるが,小型のエンジンでは図のようにクランク室を利用して圧縮する方式がもっぱら用いられる。
4サイクルエンジンでは,ピストンの2往復で1回の燃焼しか行われないが,2サイクルの場合は1往復で1回の燃焼が行われるので回転力が大きく,また弁およびその駆動機構が省けるため構造も簡単にできる利点がある。しかし,反面,変動する運転条件下で良好な掃気を行うことは困難であり,混合気の素通り損失のため燃料消費率の増大や排気中の未燃炭化水素の増加をきたす。
内燃機関のうち,ガソリンエンジンとともに広く使用されているディーゼルエンジンと比較した場合,長所としては,(1)重量または容積当りの出力(比出力)が大きい(これはおもに燃焼の際の爆発圧力が低いため,軽量にできることと,高速回転できることによる),(2)運転が静粛で,回転力の変動も少ない(主として燃焼が比較的緩やかな火炎伝播によるため,圧力上昇率が低いことによる),(3)高速回転できる(おもに混合気を燃焼させるため,混合気形成に時間を必要としないことによる),(4)排気ガス対策の有効な手法がある(触媒コンバーターや排気再循環などが有効に使える),(5)製造コストが比較的低い(ディーゼルエンジンで必要な高圧燃料噴射ポンプが不要で,爆発圧力が低いため,構造が比較的簡単であることによる)などがあげられる。一方,短所は,ノッキングが発生するため,ディーゼルエンジンよりも圧縮比を低くおさえなければならないことと,出力調節が吸気の絞りによるため,絞りの損失が生ずることにより,熱効率が比較的低いことである。
現在,ガソリンエンジンは乗用車用エンジンをはじめ,オートバイ,小型のトラック,バスや特殊自動車,モーターボート,軽飛行機の原動機として利用されているほか,農林・水産・土木・建設・一般産業用の各種小型作業機の駆動にも広く用いられている。
ガソリンエンジンは現在小型の自動車駆動用として多数使用され,その排気ガス中に含まれる一酸化炭素CO,炭化水素HC,窒素酸化物NOxは大気汚染の原因としてきびしく規制されている。これらの成分の生成原因の概要は,COは燃料の不完全燃焼により,HCは燃焼室壁面での消炎,失火や,混合気の素通りにより生じ,またNOxは空気中の窒素と酸素が燃焼時の高温により反応して生成される。おもな低減対策は下記のごとくであり,それらの組合せが実施されている。
(1)有害成分の発生をエンジン内でおさえる方法 (a)混合気供給系統の改良 上記3成分の排出濃度は空燃比に大きく依存するので,あらゆる運転条件で空燃比を適正値にすることが必要であり,そのため気化器の燃料流量精度の改善,燃料の微粒化,気化の促進や各気筒への分配の均一化などがはかられている。(b)排気再循環 排気の一部を吸気側にもどすことにより,燃焼温度を下げてNOxの発生をおさえることができる。このとき出力の低下やHCの増加などをきたさないよう燃焼の改善をはかる一方,エンジンの負荷・回転数に応じて適当な再循環量になるよう制御される。(c)成層給気または希薄燃焼方式の採用 希薄混合気を安定して燃焼できれば3成分を低減できる。そこで,燃焼室に副室を設け,副室に濃い混合気を供給して点火し,副室から噴き出る火炎により主室の希薄混合気を燃焼させる。また混合気の流動などを利用して希薄混合気を燃焼させる方法もある。(d)点火系,排気系の改良 点火系の着火能力の向上や排気ポートの保温によりHCの低減がはかられている。
(2)排気中の有害成分を低減する方法 (a)酸化触媒方式 排気中のCOおよびHCを触媒コンバーターにより酸化させる方式であり,排気中に余剰の酸素が含まれていることが必要で,そのため混合比を空気過剰側に設定するか,または排気に二次空気を加える。触媒コンバーターは通常ハチの巣形または粒状の活性アルミナ製担体に触媒物質(白金,パラジウムなど)を付着させたものをケースに納めたものである。(b)三元触媒方式 理論混合比またはそのごく近傍では,排気を触媒中に通しNOxの還元とCO,HCの酸化を同時に行わせることができる。混合比を理論値に精度よく制御するため,ふつう排気管内に酸素濃度検出器を置き,その出力に応じて燃料供給量を変化させる電子制御燃料噴射装置や電子制御気化器が用いられる。触媒物質には白金,パラジウム,ロジウムなどが用いられる。
以上の排気ガス対策のほかに,自動車用ガソリンエンジンでは,ブローバイガス対策および燃料蒸発ガス対策が義務づけられている。また自動車ではエンジン騒音を低減するための種々の対策がとられつつある。
→自動車 →自動車排出ガス規制
執筆者:染谷 常雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
燃料として常温・常圧で液体であるガソリンを用いる火花点火の往復動内燃機関。作動方式により4行程機関と2行程機関がある。
[吉田正武]
4行程機関は2回転に1回爆発しサイクルを完結するもので、1862年にフランスのボー・ド・ロシャBeau de Rochas(1815―1893)が原理を提案し、1876年ドイツのニコラウス・アウグスト・オットーがガス燃料を用いて実用化に成功した。2行程機関は1回転に1回爆発してサイクルを完結するもので、1881年にイギリスのデュガルド・クラークDugald Clerk(1854―1932)が空気、ガス燃料用の掃気ポンプを別にもつ形のものを実用化した。現在ガソリンエンジンで用いられる2行程機関は、クランク室に吸入した混合気をピストンの下降行程で圧縮し圧縮された混合気でシリンダーを掃気するもので、1891年イギリスのジョセフ・デイJoseph Day(1855―1946)によって実用化されたガスエンジンの子孫である。
液体燃料で気化性の強いガソリンを燃料にする試みは、実用のガス機関をつくったフランスのジャン・ジョゼフ・エティエンヌ・ルノアールが最初で、燃料の自然蒸発で気化する表面気化器を用い、ガス機関をガソリンで運転した。その後いくつか試みられたが、ガス燃料の供給が困難な場合の代替燃料として使用され、機関も据付け型機関であった。
1883年ドイツのゴットリープ・ダイムラーは小型・軽量の実用4行程ガソリンエンジンを開発した。吸入弁は自動弁で、排気弁は直接カム駆動の茸(きのこ)弁であった。点火は熱管型で、気化器は初め表面気化器であったが、すぐ霧吹き型になった。ダイムラーの機関は小型・軽量で、単位重量当りの出力も大きく車両用に適していたので、ダイムラーは1886年自動二輪車を開発し、さらに自動車にも用いた。また同じころドイツのカール・ベンツは電気火花点火の4行程ガソリンエンジンを開発し、初めから自動三輪車に用いた。その後ガソリンエンジンはフランスで発展し、高圧電気火花点火方式を採用し、小型・軽量・高速の自動車用機関として発達した。19世紀末から20世紀の初めにかけて、機関の多気筒化、カム軸駆動の吸排気弁にそれぞれカム軸をもつ頭上カム軸方式、一つのシリンダーに吸排気弁を二つずつもつ四弁式などがつくられ、1930年代には現在のガソリンエンジンの機構はほとんどすべて開発された。その後、細部の研究による改良と新しい材料の開発、制御方法の進歩によって熱効率向上・小型軽量化を続けており、1970年ごろから排気清浄化の研究が進められて、20世紀末ごろにはほぼ達成された。さらに温暖化対策のCO2排出量低減に向かって研究開発が進められている。2行程機関では吸排気管内の気体の振動が出力に大きな影響を与え、掃気流の研究とともに大幅な出力向上をみたのは1950年代以降である。しかし、排気浄化が困難であり、1970年以降小型のエンジンを除き使用されなくなった。
[吉田正武]
機関本体はシリンダー、シリンダーヘッド、ピストン、コネクティングロッド(コンロッドともいう)、クランク軸、はずみ車、カム軸、吸排気弁機構、カム軸駆動機構などからなる。潤滑油圧送ポンプ、点火装置、水冷の場合の冷却水循環ポンプをカム軸駆動機構かクランク軸により駆動している。
燃料供給系は気化器式と燃料噴射式に分かれる。気化器式では燃料ポンプで送られた燃料が燃料フィルターを通ってフロート室に供給され、霧吹きの原理で微細な粒にされ、気化混合する。ガソリンは燃焼可能な空気との混合割合の範囲が狭いので、気化器には絞り弁があり、空気量を調整して出力を制御する。広い出力範囲で空気と燃料の混合割合が一定になるように、可変ベンチュリー型、多段固定ベンチュリー型がある。しかし、とくに自動車用では排気清浄化を達成するには精密な燃料供給制御が必要になり、気化器は使用されなくなった。燃料噴射式の大部分は、吸気弁直前に計量された燃料を定時に噴射するもので、2気圧程度に燃料を圧縮するポンプ、調圧器がある。噴射ノズルは、噴射時間を電気的に調整するもので、燃料量は空気流量、空気温度、圧力、冷却水温度などを用いてコンピュータ制御で最適な状態に制御される。この場合は空気流量計測部分の後ろに一つの絞り弁をもつのが普通である。多気筒機関では吸気多岐管で混合気か空気を分配する。21世紀に入ったころより、さらに厳しくなった排気清浄化とCO2排出量低減のために、計量された燃料を毎サイクル確実に供給するためと成層燃焼を行うためにシリンダー内に直接噴射する方法が広まっている。点火装置は、シリンダーに吸入された混合気を点火させるもので、通常は高圧の火花放電を用いる。蓄電池、感応コイル、断続器、配電器、点火栓からなり、小型機関では蓄電池のかわりに発電機を使用するものもある。1970年代ごろから排気清浄化などのため、点火時期も運転状態に合わせて制御されている。
潤滑装置はピストンとシリンダーの間、各ベアリングなどに潤滑油を送る部分で、油ポンプ、油フィルター、油溜(あぶらだめ)からなり、油冷却器をつける場合もある。冷却装置は、機関が正常な運転を継続できるようにするもので、水冷式では水循環ポンプ、ラジエーター、温度調整器からなり、空冷式では直接駆動の冷却ファンからなり、シリンダーなどにフィンをつける。どちらも過冷却を防止するくふうがなされている。
[吉田正武]
『富塚清著『動力の歴史――動力にかけた男たちの物語(新装版)』(2008・三樹書房)』▽『John Robert DayEngines ; The Search for Power(1980, The Hamlyn Publishing Group Ltd.)』
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…熱力学の理論上は圧縮比が大きい(高い)ほどより多くの有効仕事を取り出せる(熱効率が高い)が,現実のエンジンでは,圧縮比を高め過ぎると摩擦が増え,かえって効率が低下し,12ないし16程度の圧縮比が実現できれば好ましいとされている。しかし,ガソリンエンジンでは圧縮比が高くなるとノッキングを発生しやすくなるため,ほとんどのもので圧縮比は10以下にとどまっている。空気のみを圧縮するディーゼルエンジンではノッキングの心配がないので,圧縮比が20を超えるものもある。…
…これが4サイクルエンジンの最初のもので,ガス交換用および火炎点火用すべり弁はかさ歯車を介してクランク軸の1/2の回転数で駆動された。G.ダイムラーは高速化により軽量化でき,交通機械の駆動に応用できるという点に着目し,83年に最初の高速小型4サイクルガソリンエンジンをつくり,85年に二輪車を,86年四輪車を走らせ,今日の内燃自動車の基礎を築いた。このほか,容積形内燃機関で円滑な円運動を実現する試みは数多くあるが,現在実用になっているのはF.ワンケルにより発明された火花点火式のロータリーエンジンのみである。…
※「ガソリンエンジン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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