翻訳|white knight
企業の敵対的買収に対抗するため、買収対象企業の株式取得などを通じて、友好的な立場から合併・買収を試みる第三者の企業・個人をいう。危機に際して、救いの手を差し伸べるという意味で、白馬の騎士=ホワイトナイトとよばれる。
ホワイトナイトの具体的な対応としては、第三者割当増資の引受け、敵対的買収者との間でのTOB(株式公開買付)合戦、株式交換などがあげられる。おとぎ話では、窮地に陥ったお姫様を悪漢から助ける正義の騎士であるが、買収防衛に際してのホワイトナイトの動機はもうすこし功利的である。たとえば、買収対象企業との取引関係が買収により損なわれるリスクを回避したい場合、買収企業と競合関係にあるが買収が実現すると自社の市場シェアが著しく低下する場合などが、ホワイトナイトとしての一般的な動機である。
したがって、敵対的買収を防げたとしても、株式保有状況しだいでは、買収対象企業はホワイトナイトの傘下に組み入れられることとなる。ただし、買収対象企業やその経営者とのつながりが密であるなど、本当に義侠(ぎきょう)心だけから敵対的買収に立ち向かった場合、取得株式の扱いを通じて買収対象企業の経営独自性を維持させるケースもある。このような場合は、とくにホワイトスクワイアwhite squire=「白馬の(騎士の)従者」とよばれている。ただ、ホワイトスクワイアのケースであっても、買収対象企業としては救済相手に対してなんらかの経済的なメリット付与を強いられるのが一般的である。
[高橋 元]
(高橋宏幸 中央大学教授 / 2008年)
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