改訂新版 世界大百科事典 「ボルク」の意味・わかりやすい解説
ボルク
Lodewijk Bolk
生没年:1866-1930
オランダの解剖学者。アムステルダム大学医学部に学び,1898年から32年間,同校の教授となる。専門は末梢神経,とくに脳神経の解剖学,頭蓋と骨盤の比較解剖学,体節解剖学,歯の形態学,霊長類の筋学と発生学,内分泌学など多岐にわたり,その業績は後の比較解剖学や神経学の発展に大きな影響を与えた。解剖学標本を大量に収集したことでも有名である。後年は生物やヒトの進化について強い関心を寄せ,人類の進化に関する学説〈胎児化説〉や,哺乳類の歯の進化に関する学説〈集中説concentration theory〉を発表した。これらの理論は当時の学会でひじょうな反響を呼んだ。《人類成立の問題》(1926),《脊椎動物比較解剖学》(1931)などの著作がある。
執筆者:金沢 英作
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報