マイクロプラスチック(英語表記)microplastics

翻訳|microplastics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マイクロプラスチック」の意味・わかりやすい解説

マイクロプラスチック
microplastics

5mm未満のプラスチック粒子。プラスチック汚染が原因で環境中に大量に存在する。化粧品合成繊維,ビニール袋,ペットボトルなどさまざまな製品から環境中に放出される。一次マイクロプラスチックと二次マイクロプラスチックに分けられ,一次マイクロプラスチックには化粧品や歯磨き剤といったパーソナルケア用品に含まれるマイクロビーズ,工業製品の製造使用されるペレット(別名ナードル),衣類に使用されるナイロンなどの合成樹脂繊維がある。これらは家庭から下水への流出,製造または輸送の過程での漏出,衣類の洗濯による脱落といった経路により,直接環境中に放出される。二次マイクロプラスチックは,大きなプラスチックが分解されて形成されたものをさす。環境中に捨てられたり,置かれたりした大きなプラスチックは波や風,紫外線にさらされ,風化することで細かくなる。マイクロプラスチックは生物によって分解されないため,いったん環境に流入すると半永久的に蓄積される。蓄積は地球のあらゆる場所で確認されており,21世紀初めの時点で,海洋だけでも年間 400万~1400万tのプラスチックに汚染されていると推定される。また,マイクロプラスチックは塵粒子や浮遊粒子として大気汚染も引き起こす。アメリカ合衆国では 2015年にマイクロビーズ除去海域法 Microbead-Free Waters Actが制定され,マイクロプラスチックを配合した化粧品の製造・販売が禁止された。ほかにも多くの国で使用が禁止されている。

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