マルティヌー(読み)まるてぃぬー(英語表記)Bohuslav Martinů

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルティヌー」の意味・わかりやすい解説

マルティヌー
Martinů, Bohuslav

[生]1890.12.8. ポリチュカ
[没]1959.8.28. リースタール
チェコの作曲家。プラハ音楽院バイオリンを学び,チェコ・フィルハーモニー管弦楽団に所属したが,1923年にパリに出て A.ルーセルに作曲を師事。 40年にナチスから逃れてアメリカに移住し,プリンストン大学とバークシャー音楽センターで教えた。 46~48年プラハ音楽院教授として一時帰国したが再びアメリカに戻り,52年にアメリカ国籍を取得,57年以降はスイスのプラッテルンに引退した。多作で新古典主義的な作風をもち,チェコの民族性やフランス近代音楽,ジャズなどの影響がみられる。主作品は『バイオリン協奏曲』 (1943) ,オラトリオ『ギルガメシュ物語』 (57) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マルティヌー」の意味・わかりやすい解説

マルティヌー
まるてぃぬー
Bohuslav Martinů
(1890―1959)

チェコスロバキアの作曲家。J・スークおよびA・ルーセルに師事。新古典主義に属する作曲家であるが、その音楽は、民族主義的作風、コンチェルト・グロッソをはじめとするバロック時代の音楽形式への傾倒、ジャズのイディオムの導入など、折衷主義的傾向を示している。第二次世界大戦中はアメリカに渡り、プリンストン大学、カーティス音楽学校などで教鞭(きょうべん)をとる。多作家として知られ、その作品はオペラバレエなどの劇音楽から、管弦楽曲、協奏曲、室内楽曲、合唱曲に至る膨大な数に及んでいる。

[寺田兼文]

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