まんのう

改訂新版 世界大百科事典 「まんのう」の意味・わかりやすい解説

まんのう[町]

香川県中南部仲多度郡の町。2006年3月琴南(ことなみ),仲南(ちゆうなん),満濃(まんのう)の3町が合体して成立した。人口1万9087(2010)。

まんのう町東部の旧町。仲多度郡所属。人口2866(2005)。讃岐山脈北斜面に位置する。中央部を土器川が北西流し,集落は河川沿いや山地中腹に散在する。土器川に沿って国道438号線が通じる。平地が少なく村域の大部分山林で占められ,過疎化が進んでいる。農林業が主体で,米,茶,高冷地野菜,シイタケなどの栽培が盛ん。県下最高峰の竜王山や大川山への登山客が多い。

まんのう町西部の旧町。仲多度郡所属。人口4588(2005)。南は徳島県に接する。讃岐山脈北斜面に位置し,中央部を財田(さいた)川が西流,北部を金倉川が北流し,川沿いに集落が散在する。北部も低い丘陵性地形が広がり,平地に乏しい。JR土讃線,国道32号線,377号線が通じる。産業の中心は農林業で,溜池灌漑による米,タバコ,たけのこ,ミカン,カキの生産のほか,肉牛,酪農の多頭飼育も行われる。北東部に旧満濃町にまたがって満濃池がある。賀茂神社境内で演じられる雨乞い綾子踊は国の重要無形民俗文化財に指定されている。

まんのう町中北部の旧町。仲多度郡所属。人口1万2472(2005)。町名は満濃池にちなむ。土器川の中流域に位置し,南部および北東部は讃岐山脈北麓の丘陵性山地で占められ,北西部は讃岐平野南端にあたる。高松琴平電鉄琴平線,国道32号線が通じ,国道や旧琴平街道沿いには,西隣の琴平町の金刀比羅宮門前町へと連続する商店街が形成されている。古くから溜池灌漑による農業が主産業で,米作を中心に,茶の栽培,施設園芸が行われる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「まんのう」の意味・わかりやすい解説

まんのう(町)
まんのう

香川県中南部、仲多度(なかたど)郡にある町。2006年(平成18)、仲多度郡琴南町(ことなみちょう)、満濃町(まんのうちょう)、仲南町(ちゅうなんちょう)が合併して成立。町域の南部は徳島県に接し、標高1000メートルを超える竜王(りゅうおう)山や大川(だいせん)山を主峰とする讃岐(さぬき)山脈が連なる。これを源流とする土器(どき)川が丘陵地を北流。土器川に沿うように国道438号が走り、三頭(さんとう)トンネルで徳島県に抜ける。北部から西部にかけては、JR土讃(どさん)線、高松琴平(ことひら)電気鉄道琴平線、国道32号、377号が通じる。町の中央部やや西寄りに、町名の由来となった満濃池がある。灌漑用溜池としては日本屈指で、ほかにも数多くの大小溜池が点在。基幹産業は農林業で、大川山の山頂付近では牛の飼育、山間地ではソバ、キャベツなどの畑作、丘陵・平野部では、タケノコや果樹、茶、搾油(さくゆ)用ヒマワリやキクなどの花卉(かき)栽培、米作、蔬菜(そさい)栽培、養鶏などが行われる。満濃池周辺には国営讃岐まんのう公園をはじめ、県立満濃池森林公園、ほたる見公園などがある。また、南部の山間部は大滝大川県立自然公園に指定され、キャンプ場やハイキングコースが整備されている。天川神社(あまがわじんじゃ)の社叢は、讃岐山脈山麓の自然態を代表する残存植物として国指定天然記念物。平安時代の山岳寺院跡である中寺(なかでら)廃寺跡は国指定史跡。佐文(さぶみ)地区の綾子踊(あやこおどり)は、雨乞い祈願の小歌踊りで、国指定重要無形民俗文化財。面積194.45平方キロメートル、人口1万7401(2020)。

[編集部]


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百科事典マイペディア 「まんのう」の意味・わかりやすい解説

まんのう[町]【まんのう】

香川県南部に位置する仲多度郡の町。町の南縁を徳島県と接している。町中央に土器川が南流し,日本最大の溜め池である満濃池がある。2006年3月,仲多度郡琴南町,満濃町,仲南町が合併し町制。JR土讃線,琴電琴平線,国道32号線,319号線,377号線,438号線が通じる。194.45km2。1万9087人(2010)。

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