日本大百科全書(ニッポニカ) 「仲南」の意味・わかりやすい解説
仲南
ちゅうなん
香川県南西部、仲多度郡(なかたどぐん)の山間にあった旧町名(仲南町(ちょう))。現在はまんのう町の南西部を占める一地区。1955年(昭和30)七箇(しちか)、十郷(そごう)の2村が合併して仲南村となり、1970年町制施行。2006年(平成18)琴南(ことなみ)町、満濃(まんのう)町と合併し、まんのう町となる。JR土讃(どさん)線、国道32号、377号が通じる。旧町域は財田(さいた)川の上流域で、南部は和泉(いずみ)砂岩層、北部は花崗(かこう)岩や礫(れき)層からなっている。農業が中心で、丘陵地のタケノコやミカン、茶が特産品である。これらを加工する農産加工工業が導入されている。近年は搾油(さくゆ)用ヒマワリやキクなどの花卉(かき)栽培が増えている。佐文(さぶみ)地区の雨乞(あまご)い祈願の綾子踊(あやこおどり)は国の重要無形民俗文化財。讃岐(さぬき)山脈尾根上の樫ノ休場(かしのやすみば)は阿波(あわ)(徳島県)越えの峠の一つで、杉の巨木がある。日本有数の溜池満濃池の谷が西部に入り込み、周囲は森林公園になっている。
[稲田道彦]
『『仲南町誌』(1982・仲南町)』