メルシン(その他表記)Mersin

デジタル大辞泉 「メルシン」の意味・読み・例文・類語

メルシン(Mersin)

トルコ南部、地中海に面する港湾都市。同国南部の代表的な工業地帯であり、小麦、綿、羊毛などの農産物やクロム鉱を輸出する。古代ローマ時代よりキリキア地方の主要港として栄えた。メルスィン。
[補説]1890年(明治23)にオスマン帝国の軍艦エルトゥールル号が日本の和歌山県沖で遭難した際、住民が救助活動をした縁で、串本町と姉妹都市の関係にある。

メルシン(Mersing)

マレーシア、マレー半島南東岸の町。ジョホール州の都市ジョホールバル北東約140キロメートル、メルシン川の河口に位置し、南シナ海に面する。海岸保養地として知られる沖合ティオマン島ラワ島フェリーで結ばれる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「メルシン」の意味・わかりやすい解説

メルシン
Mersin

トルコ南部,地中海に面する港湾工業都市。イチェル県の県都。別名イチェルİçel。人口56万8388(2003)。背後トロス山脈が走り,チュクロバ地方の中心都市アダナの外港的機能をもっている。市の北西3kmの所では,前6千年紀ころからの定住址が発掘されている。近代的なメルシン精油所(1980完成。原油処理能力9万バレル/日)や製粉工場のほか,貿易港として港湾改良工事が進められ,穀物綿花,クローム鉱などの輸出が行われ活況を呈している。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メルシン」の意味・わかりやすい解説

メルシン
Mersin

トルコ中央南部の港湾都市で,イチェル県の県都。アダナの西南西 60km,キリキア平野の西端に位置する。 1950年に港湾施設が大きく改造され,アダナ平野,南東アナトリアの農産物,鉱産物の積出港である。ここが港に選ばれたのは沈泥がないことと,内陸部と鉄道,道路による交通が便利であるためで,鉄道支線によってアダナと結ばれ,イスタンブール-バグダード幹線鉄道に接する。また国内最大の石油精製工場があり,中東諸国からの輸入石油の大部分と,イスケンデルンの石油パイプライン終点から沿岸沿いに送られてくるラーマン山油田の石油の一部分を処理している。人口 42万 2357 (1990) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メルシン」の意味・わかりやすい解説

メルシン
めるしん
Mersin

トルコの小アジア半島中央南部、地中海に臨む港湾都市。イチェル県の県都。別称イチェルçel。人口53万7842(2000)。チュクルオバ平原の西端、アダナの西70キロメートルに位置する。チュクルオバ平原産の小麦や綿花、背後のトロス山脈産のクロム鉱を輸出するほか、石油精製、化学肥料、製粉などの近代工業も発達する。キプロス島との間にフェリーが通じ、近郊に海水浴場がある。

[末尾至行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android