モランディ(読み)もらんでぃ(英語表記)Giorgio Morandi

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モランディ」の意味・わかりやすい解説

モランディ
もらんでぃ
Giorgio Morandi
(1890―1964)

イタリア画家ボローニャで生まれ、同地の美術学校で学び、生涯をこの地で過ごした。1914年には未来主義者の展覧会出品し、18年から20年まで形而上(けいじじょう)派に参加するが、そういうイタリアの芸術運動に対してあまり積極的ではなく、その後は孤立して制作に専念する。風景画においてはむしろセザンヌコローに負うところが多く、静物においてはジョットや初期ルネサンスの造形性をよりどころとして、形象を単純化された輪郭でとらえ、白、灰色褐色などの寒色主調とした油の厚塗りの画面により、知的で瞑想(めいそう)的な絵画世界をつくりあげた。版画水彩も多い。

小川 煕]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モランディ」の意味・わかりやすい解説

モランディ
Morandi, Giorgio

[生]1890.7.20. ボローニャ
[没]1964.6.18. ボローニャ
イタリアの画家,銅版画家。ボローニャで絵を学び,1912年に未来派の展覧会に出品。 18~19年,G.キリコ,C.カルラとともに「形而上絵画」を主唱し,瓶や器を主題にした静物を描き,瞑想的な作風確立。 30年以降はボローニャの美術学校で銅版画を教えた。 48年ベネチア・ビエンナーレ大賞受賞

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