ユマニテ(読み)ゆまにて(英語表記)l'Humanité

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユマニテ」の意味・わかりやすい解説

ユマニテ
ゆまにて
l'Humanité

フランス共産党中央機関紙。パリ発行の朝刊紙。1904年4月18日、当時の著名な社会主義者ジャン・ジョレスによって創刊され、その後社会党の機関紙となる。20年社共の分裂により、共産党の中央機関紙となる。第二次世界大戦の直前人民戦線崩壊で39年8月26日から発行禁止処分を受けたが、ただちに地下発行を開始、44年8月のパリ解放まで地下発行を続け、レジスタンス運動に協力した。第二次世界大戦直後、共産党も入閣した挙国一致内閣の下で発行部数も飛躍的に伸び、46年には40万部を数えたが、その後低下した。それでも80年代には資本主義国の共産党機関紙としては有数の10万台の発行部数を維持していたが、ソ連崩壊後の90年代には大きく低落した。98年の平均発行部数は5万8000部。

[伊藤力司]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユマニテ」の意味・わかりやすい解説

ユマニテ
L'Humanité

フランス共産党機関紙。 1904年4月 18日 J.ジョレスによって社会党の機関紙として創刊されたが,20年の党分裂後は多数派の手に移り,共産党中央機関紙となった (M.カシャン編集) 。 39年8月 25日発禁になったが,44年8月のパリ解放まで地下発行を続け,レジスタンス運動の支柱となった。「人間性」という題号が示すように,フランス・ユマニスム伝統に基づく幅広い編集で,かつては A.フランス,R.ロランらも寄稿した。社会記事,スポーツ記事も多い。朝刊紙で,発行部数 11万 7005 (1997) 。

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