ラスアルハイマ(読み)らすあるはいま(英語表記)Ras al Khaima

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラスアルハイマ」の意味・わかりやすい解説

ラスアルハイマ
Ra's al-Khaymah

アラブ首長国連邦を構成する首長国の一つ。ペルシア湾岸に 56kmの海岸線をもつ,北方のルウースアルジバール岬の部分と,南部の内陸部分に2分される。首都はラスアルハイマ。もともとはシャルジャの一部であり,町は海賊の重要な基地であった。 16世紀以後,ポルトガル,ペルシアの争奪の的となっていたが,19世紀にイギリスが湾岸最大の勢力となると,スルタンはイギリスと休戦条約を結んだ。その後一時独立したが,シャルジャに帰属させられ,ようやく 1919年にトルーシアルステーツの一国としてイギリスに承認された。 72年アラブ首長国連邦加盟した。連邦内では珍しい農業国で,人口の 40%が農業に従事し,野菜,果物,柑橘類ナツメヤシなどが,首都周辺で栽培されている。面積約 1700km2。人口 13万 (1991推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラスアルハイマ」の意味・わかりやすい解説

ラス・アル・ハイマ
らすあるはいま
Ras al Khaima

アラブ首長国連邦を構成する7首長国の一つ。同連邦北東端に位置する。ほかの6首長国よりやや遅れ、1972年2月に連邦に加盟。面積1683平方キロメートル、人口約18万1400(2001推計)。国土大部分はペルシア湾岸の低地と山岳地帯からなる。天水や山岳地帯からの地下湧水(ゆうすい)に恵まれ、農業が盛んで、連邦内の果実、野菜、ナツメヤシ、家畜の供給基地となっている。近年、工業や観光にも力を入れている。海岸および海底油田の開発も進行中である。

[原 隆一]

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