リベット(読み)りべっと(英語表記)rivet

翻訳|rivet

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リベット」の意味・わかりやすい解説

リベット
Rivette, Jacques

[生]1928.3.1. ルーアン
[没]2016.1.29. パリ
フランスの映画監督。フルネーム Jacques Pierre Louis Rivette。ヌーベルバーグ旗手として実験的かつ表現力豊かな手法で知られる。映画監督になる前は映画評論などを執筆していた。1950年にジャンリュックゴダールフランソアトリュフォー,エリック・ロメールとともに映画雑誌『ラ・ガゼット・デュ・シネマ』を創刊。第5号で廃刊したのちは 4人とも映画界に影響力をもつ『カイエ・デュ・シネマ』誌に映画批評を書いた。リベットはその後同誌編集長を務めた。4人は同誌執筆者の一人でもあったクロード・シャブロルとともにヌーベルバーグの中心的な映画監督となった。1950年代に『王手飛車取り』Le Coup du berger(1956)など短編映画の制作を開始。1961年の長編デビュー作『パリはわれらのもの』Paris nous appartientでは,若い女性が弱小劇団と政治運動の暗さに巻き込まれる経緯を独特の雰囲気で描いた。ドゥニ・ディドロ原作の『修道女』La Religieuse(1966)は,カトリック教会を皮肉ったとして一時上映禁止になったこともあり,商業的に成功した。そのほか作品に『セリーヌジュリーは舟でゆく』Céline et Julie vont en bateau(1974),『彼女たちの舞台』La Bande des quatre(1988),『小さな山のまわりで』36 vues du Pic Saint Loup(2009)などがある。

リベット
rivet

一端に頭をもった柱状体の金属製締めつけ用部品。重ね合せた板材の穴にこれを差込み,他端をつぶしながら (胴部直径が 25mmより大きいものは機械打ち,小さいものは手打ちによって) 頭をつくって締結する。この締結をリベット継手といい,永久的な結合になる。頭打ちは,常温または赤熱状態でするが,後者ではリベットの熱収縮によって板材を強く締めつけるので気密効果が大きい。頭部の形状によって,丸,皿,丸皿,平,鍋など9種類に分けられる。材料には,低炭素鋼,銅,銅合金アルミニウム合金などがあって,板材と同種のものが使われる。リベット継手は溶接よりも信頼性が高いが,溶接技術の進歩と高張力鋼の出現によって,特殊なもの以外は次第に取って代られつつある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リベット」の意味・わかりやすい解説

リベット
りべっと
rivet

鋼板、形鋼など金属材料を結合するときに使用される棒状の機械要素。鋲(びょう)ともいう。結合しようとする二枚の鋼板を重ね合わせ、あけてある穴に加熱したリベットを差し込み、頭部を支え、他方を空気ハンマーなどで打ち、変形させて締結する。小さなリベットの場合には常温のままで行う。リベットを使用して結合した部分をリベット継手(つぎて)といい、板材、形材などを半永久的に締結する。リベット継手は接合部の強度も強く、建築物、ボイラー、橋、船、ガスタンク、歩道橋、鉄塔などに広く使用されている。溶接技術の進歩により、リベット継手はしだいに溶接による結合に変わりつつある。

[中山秀太郎]


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