ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リベット」の意味・わかりやすい解説
リベット
Rivette, Jacques
[没]2016.1.29. パリ
フランスの映画監督。フルネーム Jacques Pierre Louis Rivette。ヌーベルバーグの旗手として実験的かつ表現力豊かな手法で知られる。映画監督になる前は映画評論などを執筆していた。1950年にジャン=リュック・ゴダール,フランソア・トリュフォー,エリック・ロメールとともに映画雑誌『ラ・ガゼット・デュ・シネマ』を創刊。第5号で廃刊したのちは 4人とも映画界に影響力をもつ『カイエ・デュ・シネマ』誌に映画批評を書いた。リベットはその後同誌編集長を務めた。4人は同誌執筆者の一人でもあったクロード・シャブロルとともにヌーベルバーグの中心的な映画監督となった。1950年代に『王手飛車取り』Le Coup du berger(1956)など短編映画の制作を開始。1961年の長編デビュー作『パリはわれらのもの』Paris nous appartientでは,若い女性が弱小劇団と政治運動の暗さに巻き込まれる経緯を独特の雰囲気で描いた。ドゥニ・ディドロ原作の『修道女』La Religieuse(1966)は,カトリック教会を皮肉ったとして一時上映禁止になったこともあり,商業的に成功した。そのほかの作品に『セリーヌとジュリーは舟でゆく』Céline et Julie vont en bateau(1974),『彼女たちの舞台』La Bande des quatre(1988),『小さな山のまわりで』36 vues du Pic Saint Loup(2009)などがある。
リベット
rivet
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